写真/時事通信社
一昨年の国民投票でEU離脱を選択し暴落したポンド。暴落や暴騰は短時間で稼ぐチャンスだ。EU離脱の交渉にメドが見えつつある今、ポンドが再び乱高下し始めている。荒れ狂うポンドで儲ける方法を為替の3賢者に聞いた。
「ポンドの乱暴な値動きが目立ち始めました。原因はブレグジット(英国のEU離脱)です」
そう解説するのはロンドン在住の元為替ディーラー松崎美子氏だ。一昨年、英国民は国民投票で離脱を支持。まさかの結果にポンド/円は一日で30円近く急落した。
「ポンドはもともと変動の激しい通貨で、ブレグジットのような未曽有のイベントだとなおさらです。しかし、トレーダーにとって値幅増大は短期間で稼ぐチャンス。国民投票の日には一日で億を稼いだ個人投資家もいたほどです」
こう分析するのはシティバンクでチーフディーラーを務めた西原宏一氏だ。EU離脱を選んだ英国だが、離脱方法をめぐるEUとの交渉は難航していた。
「焦点のひとつがEUという単一市場に残り、モノを自由に行き来させるかどうか。人の行き来に制限はかけるものの単一市場に残留する『ソフトブレグジット』や、人はもちろんモノの移動も制限する『ハードブレグジット』、こうした合意を一切抜きにして離脱する『合意なきブレグジット』の3つのシナリオがありました」(松崎氏)
《EU離脱の3シナリオ》
①ソフトブレグジット/②ハードブレグジット/③合意なきブレグジット
●欧州単一市場/関税同盟
①残る/②2020年まで残る/③残らない
●EU圏との人の移動
①自由/②2020年以降、制限/③制限
●ターゲット
①155円/②151円/③133円
●可能性
①20%(※2度目の国民投票実施なら90%)/②50%/③30%