本州最南端の大間崎にある、漁師に一本釣りされた440kgのマグロのモニュメント
この漁獲枠に対し、漁師は反発。その多くは水産庁に対する姿勢だ。
「これまでの制限の中心は小型魚(30kg未満)が中心で、大型魚に対する制限は今後のことと考えていたところに、水産庁が都道府県枠を公表したのは今年5月下旬。原則『30日』以上とされる今回の制限に関する意見募集を『9日間』にして、7月から実施するという唐突ぶりです。
大間では活気が出てきて、世代交代も進んでいる。意欲に燃えた若者が、1000万円を超える船や装備を新調し、ローンを組んでいる。このままでは立ちゆかなくなる組合員も出てくるのではないか」
正組合員350人超、このうち半数がマグロ漁という大間漁業協同組合の伊藤幸弘指導課長は語る。
さらに水産庁は、大型魚の漁獲枠4882トンのうちその多く(3230トン)を沖合の巻き網漁に割り当てた。一連の経緯は不透明で、沖合の巻き網漁は大手資本が多く、政治的な動きがあったのではないかと囁かれている。
大間1年分以上のクロマグロを、わずか1日で水揚げする能力をもつ大型巻き網漁業は脅威だ。また、巻き網漁は産卵期にも行うために資源管理の動きにも逆行しているという批判も強い。
現在は(国や県が今後再配分する予定の)保留枠の沿岸漁業への重点配分、また新年度以降の配分見直しを要請している段階だ。