「億り人」は泡沫の夢…大暴落で泣いた仮想通貨トレーダーの今
2018.09.10
昨年、半狂乱の仮想通貨相場で数多くの億り人が生まれた。しかし、相場は一転。厳しい氷河期に突入し、資産の多くを失った仮想通貨トレーダーは多い。熱狂の渦にいた仮想通貨トレーダーたちは今、いったい何を思うのか――。暴落した相場に泣いた3人の男たちを直撃した。
仮想通貨の価格が低迷している。ビットコイン(BTC)の価格は8月25日現在、6700ドル前後で、昨年末につけた最高値から3分の1程度にまで下落しているのだ。
著名トレーダーたちも、この強烈な下落相場で苦しんでいる。
「正直、今は何も信じられない」
こう嘆息するのは、お笑いコンビ「ハニートラップ」の梅木一仁氏。梅木氏は昨年の春、当時1枚6円だったリップル(XRP)とネム(XEM)を計15万円ほど購入。直後にバブルに乗れ、資産はたちまち10倍に膨らんだ。極めて順調な滑り出しに見えたのだが……。
「ウハウハだったのは今年の1月まで。1月にニューロメーション(NTK)というコインのICOに参加するため、消費者金融で60万円を借りてぶち込みました。『最低600倍になる』という触れ込みにノッてしまった。その後も買い増して現在、手元には計1万5000枚のニューロメーションが残ってます。これがまずかった」
バブルから一転、仮想通貨全体が調整相場に突入。草コインであるニューロメーションも煽りをもろに受け、価格は大暴落した。平均購入価格1枚53円が1枚5円に。梅木氏のNTK資産も80万円から7万5000円に目減りした。
「しかも、取引所の板が薄いので売るに売れない。このコインを僕に勧めてきた知人が失踪するなど精神的なダメージも大きいです」
気づけばリップルやネムで稼いだ含み益は飛び消え、借金だけが残った。それでも梅木氏は仮想通貨への夢を断ち切らない。
「今後は原資の要らないエアドロップ(無料配付)案件や小規模のICOに注視しています。上場前に販売されるプレセールで仕込み、上場後の暴騰で売り抜ける戦略です。一攫千金の機会はまだまだあると思ってます」
【梅木一仁氏】
最高額 135万円
現在額 15万円
保有銘柄 NTK、ETH
仮想通貨芸人。サンミュージック所属、お笑いコンビ「ハニートラップ」のツッコミ担当。パチンコライターや仮想通貨芸人としても活躍中。ツイッター@kabu_honey
億り人を夢見た瞬間もあったのに……
「これで億万長者になれる」借金で買った草コインが大暴落
『億り人ハイパーニートポインの 仮想通貨1年生の教科書』 場企業に入社するも、長時間労働による過労で倒れる。失職時の借金は600万円――著者・ポインを襲った絶体絶命のピンチを救ったのは、仮想通貨だった。 |
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