2位になったのは、「無駄なダム」として有名になった八ツ場ダムがランクイン。
2位 八ッ場ダム(群馬県吾妻郡)
事業費4600億円(国民総負担額約1兆円)で「日本一無駄で危険なダム」として民主党政権時代にいったん中止となったが工事を再開、安倍政権下で工事が着々と進む。
2位 八ッ場ダム(群馬県吾妻郡)’08年、八ッ場ダムの工事現場(右)を視察する鳩山由紀夫首相(左)ら。民主党政権が掲げた「脱ダム」は途中で頓挫
しかし予定地一帯は地盤が不安定で地滑りが起きる恐れがあり、過去には浅間山大噴火も起きている。大規模な土砂崩れや噴火による土石流でダム決壊や大量放流が起こり、下流域の東京周辺に甚大な被害をもたらす可能性もある。
2位 八ッ場ダム(群馬県吾妻郡)
そして、悲しいことに1位になってしまった危険なダムはここだ!
1位 天ヶ瀬ダム(京都府宇治市)
’64年、淀川上流に建設された高さ73mのアーチ式コンクリートダム。国内にはダム自身の重力で水圧に耐える重力式コンクリートダムが多いが、アーチ状に張り出した構造を利用し両岸で支える「アーチ式」の天ヶ瀬ダムはコンクリートが少なくて済む一方、両岸の地盤崩壊などによるダム決壊のリスクがある。
天ヶ瀬ダム(京都府宇治市)「このダムの下流には住むな」と専門家も危険性を口にしたとされる脆弱なアーチ型構造。想定外の豪雨で越水、決壊のリスクを抱えている
決壊した場合、人口密集地帯である下流域の京都府・大阪府での被害は、西日本豪雨災害をはるかに超える規模になるのは確実。
もちろん、何事もなければそれでいいし、いたずらに恐怖を煽るのは良くないと思う。しかし、再び“想定外”の豪雨があった場合、大量放流や決壊の可能性があることを下流域住民は心に留めておき、備えをきちんとしておいたほうがよいだろう。
取材・文・撮影/横田 一 写真/足立力也 時事通信社
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