さて、ローカルコンビニのローソン転換といえば、セーブオンと同じく関東地方の中堅コンビニチェーンだった「スリーエフ」も思い浮かぶ。
スリーエフは中堅スーパー「富士スーパー」(現在の富士シティオ、本社:横浜市)のコンビニエンスストア部門として1979年に誕生、2015年ごろには神奈川県を中心とする首都圏と四国に約600店舗を展開していた。自社開発商品「F-STYLE」に定評があり、よこすか海軍カレーを再現したチルド弁当など地域色の濃い商品や、もちもち食感が特徴のスイーツ「もちぽにょ」などといった個性的なPB食品が根強い人気を集めていた。
スリーエフの店舗(四万十市)
スリーエフの店舗の大部分は今年1月末までにダブルネーム店舗「ローソン+スリーエフ」へと転換されており、「スリーエフ」の単独店舗は姿を消した。しかし、この「ローソン+スリーエフ」は通常のローソン店舗の機能に加えてスリーエフのPB食品(先述したスイーツをはじめ、焼鳥、チルド弁当など)の販売も行う新業態で、「スリーエフ」の屋号と商品は生き続けることとなった(なお、一部店舗は通常のローソンへと転換している)。
これらの店舗は、スリーエフが51%、ローソンが49%を出資する新会社「エル・ティーエフ」によって運営されており、現在同社は「ローソン+スリーエフ」での新規出店も開始している。
ローソン+スリーエフのダブルネーム店舗(台東区)
これまでの転換店舗を見る限り独自性維持は望み薄!?
それでは、セーブオンはどうだろうか。セーブオンはベイシア傘下の企業名としては残るものの、これまでローソンに転換された店舗は通常のローソンとほぼ変わりない内容・品揃えとなっており、セーブオン運営という独自色はあまり感じられない。
8月にローソンへと転換されるセーブオンは「本社のお膝元」ということで、ベイシアグループを通じて地元企業の商品を販売する店舗も少なくなく、一部の店舗では群馬県名物「焼きまんじゅう」の取り扱いもあった。これらの「地域限定商品」の処遇はまだ発表されておらず、ローソン側の判断にゆだねられるとみられるが、これまでの転換店舗を見る限り、とくに食品の独自性の維持はスリーエフに比べて「望み薄」といっていいだろう。
2018年、夏の終わりと共に姿を消すこととなるセーブオン。今年の夏休みはそんなセーブオンの「ラストラン」を求め、群馬県へと出かけてみてはいかがだろうか。
最後の「セーブオンめぐり」へと出かけてみてはどうだろうか(熊谷市)
<取材・撮影・文/若杉優貴(都市商業研究所)>
【都市商業研究所】
若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「
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