直射日光を部屋に入れない工夫だけで、日射の80%以上をカット
窓の外で日射を防ぐ効果
3つの中でもっとも重要なのは、「窓の外側」だ。夏の強烈な日射は、いくら室内でブラインドや遮熱カーテンなどを使っても十分には防げない。もちろんないよりはマシだが、日射をいったん室内に入れてしまうと、エアコンをかけても部屋の温度がなかなか下がらなくなってしまうのだ。
そこで、
窓の外にブラインドやシェードなどをつけて、直射日光を部屋に入れない工夫をする。こんな単純な方法で、窓に照りつける日射の80%以上をカットすることができる。
もちろん窓の大きな住宅や、公共施設のような窓の多い建物ほど、対策することで高い遮熱効果が発揮される。窓の外側で対策できていれば、エアコンもずっと少ないエネルギーで部屋を涼しくすることができるようになる。
シェードはホームセンターやネットなどで手軽に入手できるし、さらにコストの安い「すだれ」や「よしず」でも同様の効果を得ることができる。もちろん小池都知事の言う伝統的な使い方とは違って、よしずをつけた上で窓は締め切りエアコンを使うのが鉄則だ。
日本では、窓の外につける「外付けブラインド」はなじみがないが、電動昇降式のスイッチひとつで角度も自由に変えることができるスグレモノだ。閉じれば「すだれ」のようにすき間から日射が漏れることもないし、半分だけ空けるなどして室内に入れる日光の調節もできる。
また目隠しにもなるので、室内のブラインドや雨戸の役目も果たすことも可能だ。日本では数も少なく、いまのところコストが高いが、今年の暑さを受けて普及していく可能性もある。
ドイツでは、住宅だけでなくオフィスビルでもブラインドやシェードが常識に
ドイツでよく見かける外付けブラインド
ドイツでは、住宅に限らずオフィスビルでも、窓の外側にブラインドやシェードをつけて日射を防ぐことがすでに常識になっている。ドイツは緯度が北海道よりも高いこともあって、「冬は厳冬で夏は涼しい」というイメージを持っている人が多いが、実は偏西風やメキシコ湾流などの影響で、緯度が高い割には気候が暖かい。
もちろん湿度は日本よりだいぶ低いが、日本で思われているよりも夏はずっと暑くなる。最近では地球温暖化の影響もあって、場所によっては35℃を超えるようなことも珍しくなくなった。そのため、窓の外で日射をカットするこのような暑さ対策は、国全体で重要視されている。