6月の打ち上げ失敗原因の一報が明らかに。打ち上げ失敗を乗り越え、インターステラテクノロジズは3号機打ち上げへ
2018.08.22
鳥嶋真也
北海道の宇宙ベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」(IST)は2018年8月11日、今年6月に打ち上げに失敗した「MOMO」ロケット2号機の、原因の調査状況について明らかにした。
また同日、この2号機に続く3号機の開発、打ち上げに向け、クラウドファンディングを行うことも発表された。
新規開発の「姿勢制御スラスター」に問題?
MOMOはISTが開発した観測ロケットで、高度100kmの宇宙空間に観測機器などを打ち上げられる能力をもつ。
1号機は昨年7月30日に打ち上げられるも失敗。リベンジを目指し、今年6月30日に改良した2号機が打ち上げられた。
しかし、打ち上げからわずか4秒後に、エンジンが停止。そして機体は落下、炎上した(当時の詳細は『堀江貴文氏出資のインターステラテクノロジズのロケット打ち上げ失敗が、”ある意味当然”である理由』を参照のこと)。
この事故原因について、同社は8月9日、調査結果報告書を発表した。なお、あくまで第1報であり、調査はまだ続いている。
報告書によると、2号機から新たに導入された「姿勢制御スラスター」という装置に問題があった可能性が高いとされる。
姿勢制御スラスターというのは、小さなロケットエンジンのような装置で、燃焼して発生したガスを噴射することで、機体のロール軸(長手軸)の回転を制御する。ロケット下部の、メイン・エンジンの上の部分にあり、エンジンに流れる推進剤(燃料と酸化剤)の一部を使って動く(ちなみにピッチ軸とヨー軸については、メインのロケットエンジン自体を動かすことで制御する)(※)。
(※)前後左右上下が決まった乗り物などで、前後の軸を中心にした回転を「ローリング」、左右の軸を中心にした回転を「ピッチング」、上下の軸を中心にした回転を「ヨーイング」という
1号機では、窒素ガスを噴射する装置でロール軸の制御を行っていたが、制御力が不足していることがわかったことから、このスラスターに置き換えられた。制御力の向上に加え、窒素タンクや配管などをなくせることなどから、メリットは大きい。
調査によると、まずこの姿勢制御スラスターになんらかの異常が発生し、生成ガスが設計時の想定を大きく上回る高温になった。続いて、配管が熱で燃えて壊れてしまい、そこから高温のガスが噴出した。
そして、その噴出した高温ガスによって、エンジンにつながる配管にある、空圧バルブを動かすための空気の配管が破壊された。この空圧バルブは、エンジンの燃料であるエタノールの流れを制御するためのもので、これによりバルブが閉じ、エンジンにエタノールが供給されなくなり、エンジンが停止。機体は落下したと考えられるという。
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