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photo by Mike Mozart via flickr(CC BY 2.0)
8月に入って、米国デラウエア州の連邦裁判所は、ベネズエラ石油会社PDVSAが米国に唯一持っている石油会社「CITGO」の押収を認める判決を下した。(参照:「
Clarin」)
どういうことかというと、CITGOはベネズエラ政府が収入源として頼れる石油会社なのである。そのため、今回の判決もベネズエラの資金源を断とうとする米国政府の策であろうと思われる。
今回の判決を下すに至ったのは、2008年にカナダの鉱山会社クリスタレックスの米国子会社が、ベネズエラにある南米最大の金鉱床のひとつとされているラス・クリスティーナスでの金の採掘を手掛けることになっていた。
ところが、当時のチャベス大統領は環境保全の為と労働者が搾取されているとして、クリスタレックスに付与していた採掘許可を取り下げて国有化に踏み切ったのである。
チャベスはボリビアで起きていた資源ナショナリズムを真似たもので、外国企業によるベネズエラでの自然資源の開発を停止させる方向に動いたのであった。クリスタレックスはその被害者となったのである。
クリスタレックスは当初、世銀による仲介でベネズエラ政府と和解の道を模索したという。しかし、解決は見られず訴訟という形でこの損害による賠償金14億ドル(1540億円)の支払いを請求していた。(参照:「
El Mundo」、「
La Patilla」、「
Clarin」)