【ゲームで戦う、スポーツの新概念】「東京ゲームショウ2017」の特設会場で行われた「ストリートファイター」の対戦 写真/時事通信社
8月18日開催のアジア競技大会で正式競技に採用されたeスポーツ。
オリンピックでも採用する動きがあり、中国や韓国、北米を中心に世界的な盛り上がりを見せている中、日本はeスポーツ後進国とも言われているが……。
「それでも、意外に日本のeスポーツの歴史は古いんです」と、デジタルライターの岡安学氏は語る。
「’90年前半から『ストリートファイターⅡ』を筆頭に対戦格闘ゲームブームが起こり、ゲーム大会という形で行われていました。主に2タイプあり、メーカーによるプロモーションイベントか、ファンコミュニティでの自主的な開催です。しかし、対戦格闘ゲームが下火になると廃れてしまいました」
冷めてしまったゲーム大会文化だが、海外の影響で日本でも復活しはじめている。今年1月には、世界最大の格闘ゲームの祭典『Evolution Championship Series(EVO)』の日本版『EVO Japan』が日本で開催され、7119名の選手がエントリーし、総来場者は1万3957名にも上った。
「もともとEVOはアメリカでのファンコミュニティイベントがケーブルテレビで配信され、スポンサーがつき、賞金が出るようになり規模が拡大。日本大会での賞金総額は500万円と海外に比べると低額ですが、日本のeスポーツ市場にとって大きな一歩でした」
ゲームとあまり関わりのない企業まで目をつけはじめている。
「今回の大会で特別協賛したのが日清食品。来場者にカップヌードルが配布され、宣伝効果は大きかった。また吉本興業や浅井企画など大手芸能事務所がeスポーツに参入を発表し、選手のマネジメントや大会運営も視野に入れています」