石破茂・元防衛相が自民党総裁選の出馬会見をフリー記者にも開放、安倍首相会見との違い鮮明に

石破氏「メディアを選別したり制限したりすることはあってはならない」

安倍首相を批判

石破氏の会見は、安倍首相を痛烈に批判する形となった

 石破氏は最後に、記者からプレス対応について問われて、次のように締めくくった。 「私は民主主義社会のために、たとえ自分が気に入らないことであっても不都合なことであっても、取材に対しては極力応じるべきだという考え方を今までとってまいりました。従って、そういう思いのもとにこれからメディアとの対応はしてまいりたいと思っております。 『なんでこんなこと書かれるんだろう』って悲しいことや悔しいことはいっぱいあります。『なんで分かってもらえないんだろう』ということはあります。しかし、だからといって、メディアを選別したり制限したりすることはあってはならないと思っております。  それはものすごい負担でもあるでしょう。ですけれども、それが政治の使命だと自らにそれを納得せしむることは肝要だと思っておりますので、仮にそうなりましたら、ぜひよろしくお願いいたしたいと思う次第です」  フリー記者への会見開放までは明言はしなかったが、「メディアを選別したり制限したりすることはあってはならない」という言葉からは、石破茂氏が自民党総裁になった場合、会見のオープン化を認めるともとれる発言だ。

総裁選の結果次第では「石破待望論」が出てくる可能性も!?

 現時点では、石破氏が総裁選で安倍首相に勝利する可能性は低いと見られている。「しかし」と語るのは前出の永田町ベテラン記者だ。 「安倍内閣の支持率・不支持率は拮抗していますが、不支持のいちばんの理由は『総理の人柄が信用できない』というもの。つまり、政策うんぬん以前に『安倍首相が嫌いだから支持しない』というのが理由のトップなのです。  かつて小泉純一郎・元首相は『政局は参院選前にある』と喝破しました。ダークホースだった小泉氏が2001年に自民党総裁に選ばれたのも、参院選を間近にして『彼じゃなければ自民党は大敗するだろう……』という危機感があったからです。安倍首相が総裁に3選しても、参院選前に支持率が低下すれば“安倍おろし”が起きてくる可能性もある。  前回の参院選では、沖縄選挙区以外での1人区は自民党がすべて押さえた圧勝ですからね。議席減は免れない。今回の総裁選で石破氏が健闘すれば、『石破待望論』が出てくることも十分あり得る。勝敗がほぼ見えている総裁選とはいえ、その結果には要注目ですよ」  今後も石破氏の動向には目が離せない。 <文・写真/及川健二(日仏共同テレビ局France10日本支局長)
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