杉田水脈議員のLGBT差別発言を批判、同性婚にも理解を示す
会見を取材するプレス。フリーの記者にも質問の機会が与えられた
質問のトップバッターに立ったのはゲイレポーターの酒井佑人記者。酒井記者は「杉田水脈衆院議員のLGBT(性的少数者)に関する発言についてどう考えるか。同性間のパートナーシップ制度や同性婚についてどう考えるか」と質問、石破氏はこう答えた。
「いわゆるLGBTの方々は日本国民の、人類と言ってもいいのかもしれませんが、8%おられるといわれています。12.5人に1人です。どんな考え方を持っても自由ですが、あらゆる人に対して人権を侵害することはあってはならないことだと思っております。
そういう方々が、一人一人の日本国民として基本的人権を共有し、この日本において生きていかれるために、われわれ政治は力を尽くしていかねばなりません。それが政治の責務なので、それを否定したり、あるいはそういう方々の思いを傷つけて平然としていたりということがあってはなりません。
われわれ自由民主党は、間違っていることは間違っているときちんと指摘する。そういうような政党でありたいと思っています。『いろんな考え方があっていいからね』ということが、すなわち自由民主党の懐の深さだと私は認識をいたしておりません」
続いて石破氏は、同性婚についての考えも語った。
「そして、同性婚等々については、いろんな議論がございます。両性の合意をもって成立をする。そこにのみという言葉が入っておりますが、これをどのように考えるかということについてはいろんな議論があると承知しております。
一部の地方自治体において、そういうことを認めるような動きがあることも、また事実であります。一人一人が差別を受けることなく、人としての幸せを実現していく。そういうような観点に立って、この問題には取り組んでまいりたいと考えておるところでございます」
この発言に対してネット上では、LGBT関係者たちの「石破氏はLGBTについてよく分かっている」という書き込みが相次いだ。
安倍首相の会見は、質問も回答も最初から用意されている
それにしても、石破茂氏が自民党の慣例を破ってまで、フリー記者にも会見を開放したのはなぜだろうか。これに対し、「安倍首相との違いを鮮明にするためではないか」と語るのは大手紙記者だ。
「安倍首相になってから、首相の会見は極端に少なくなりました、小泉純一郎・元首相が毎日ぶら下がり取材を受けていたのとは対照的で、ぶら下がり取材も少ない。しかも安倍首相の会見は事前に質問提出が必要で、指名されるのは都合のいい質問をしてヨイショしてくれる記者ばかり。
大川豊氏(「大川興業」総裁)は雑誌協会のプレスパスで首相会見に毎回出て、挙手していますが、一度も当てられたことがありません。記者会見とはいえ、質問も回答もすでにできているんですよ。
国外で会見をやるとき、外国のプレスは事前通告したのと違う質問をします。それに対して安倍首相がとんちんかんな答えをしてしまうのは、記者クラブ会見になれてしまっているからなのです。石破茂さんは、そんな安倍首相の閉鎖的なプレス対応に風穴を開けたいのでしょう」