トランプは「1日16回嘘をつく」!? スペイン語メディアでトランプの「虚偽発言回数」が話題に

 例えば、最近5か月でトランプは、「メキシコとの国境の壁を建設している」と30回発言している。ところが、実際には16億ドル(1760億円)の予算を使って行っているのはこれまで既に存在している壁を改造してより強固なものしているということで、決して新しく壁を建設しているというのではないということ。トランプはその事実を伝えることをせず、彼自身が勝手に事実を歪めて伝えているのである。(参照:『El Pais』)  また、トランプは、「北大西洋条約機構(NATO)に米国はGDPの4.2%を充てている」と発言しているが、実際には3.5%が正解である。(参照:「El Mundo」)  トランプは、「戦闘で亡くなった兵士の家族に電話を掛けることなどはこれまでの大統領はしなかった」とも発言しているが、これが嘘であるのは明白なこと。また、「オバマケアは廃止となった」と発言したこともあるが、当然これも嘘である。トランプがオバマケアを廃止しようとして出来ず、それを改正することも出来なかったことを彼は隠そうとしているのである。(参照:「El Pais」)  スペインの『Antena3 TV』のよれば、オバマ前大統領とトランプ大統領のご情報発信頻度を比較すると、前者は25%に対し、後者は70%になるという。また、トランプにとって嘘をつくというのはもう癖になってしまっていると指摘している精神科医もいると述べている。  8月5日には遂にトランプは、彼の息子のドナルド・トランプ・ジュニアーがニューヨークのトランプタワービルで、ロシア人の弁護士を含めたグループと対立候補ヒラリークリントンについての情報を入手するために会合を持ったことを認めた。これまでの彼はそれを否定していたにも関わらず、である。(参照:「OK Diario」)  嘘は何れバレる。それを繰り返しせば繰り返すほどそれが事実でないということがより早くバレることなる。トランプ大統領はこの落とし穴に自らはまるのも早くなっているようだ。  ただ、権力者の嘘を嘘だと逐一厳しく指摘し、広めることができるメディアの力も必要なのは言うまでもない。 <文/白石和幸> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会