そのほか裁量トレードも行うという。
【マイニング収益率の低さから底打ちを予想】4月にBTC価格が二番底をつけた際には、マイニング収益率が過去最低水準に低下。BTC価格が回復すれば収益率も高まるので、底打ちサインと判断して田中氏は買い。SFDを参考に利確
「ビットフライヤーFXでトレードもします。ただ、基本は買い。下がりすぎだろうという場面で買って過熱感が出たら決済します。最近だと、買ったのは4月に安値をつけたところですね。このときはマイニングの収益性が過去最低水準の近くまで低下し、BTC価格にも下げすぎの兆候がありました」
マイニング収益率が低下する1つの要因が、BTC価格の下げっぷり。昨年末のピークから半値以下に下げているのだから収益も半分以下に減るのは当然のこと。このように、仮想通貨ならではファンダメンタルズ分析を重視するのが田中流。
「利益確定にはビットフライヤーFXのSFD(現物とFX価格の比率)を参考にするときもある。FX価格が現物価格よりも10%高くなると、乖離を広げる注文に対して手数料がかかるので、買いの勢いは衰える。4月に安値で買ったBTCを利確したときも乖離率が10%近くに達して、“買われすぎ感”が出ていたんです」
逆に、過熱感から売ることは考えなかったのだろうか?
ハッシュレート
「ショートするのは短期だけ。なぜなら、BTCの『ハッシュレート』(採掘速度)は右肩上がりで高まっています。それだけ多くのマイナーがビットコインの価値を認めているということですが、価格は下がっている。圧倒的に“割安”な水準にあるんです」
ハッシュレートの高さはビットコインの価値の高さを意味する。中央銀行のような発行体や管理主体の存在しない仮想通貨の仕組みでは、より多くのマイナーによって取引の承認が行われる通貨ほど信頼性が増すからだ。
【ハッシュレートから見るとBTCは超割!】ハッシュレートの高さは参加するマイナーたちの多さを示し、多くのマイナーが参加していることは、取引の承認作業が特定の人・グループに偏っていないという点で信頼性の高さを証明する。現在のハッシュレートの高さを考えれば、年末BTCは高値更新の可能性も!?
「今、ビットコインを売買している人たちは、そういう仕組みを理解していないが、今後参入してくる大口投資家は理解しているでしょうから、ハッシュレートの方向に価格が是正されると考えています」
ビットコインのハッシュレートは昨年末の最高値時点から2倍以上に増加している。ハッシュレートに従えば、高値更新は充分に期待できそうだ。
さまざまな形で仮想通貨へ投資する田中氏。現在のポートフォリオはどうなっているのだろうか。
「ビットコインが70%、モナコインが20%、あと10%は草コインですね」
アルトの中でも時価総額が小さなコインは「草コイン」と総称される。実は、この言葉の生みの親は田中氏だ。
「2ちゃんねるで揶揄的に使われる『wwww』を『草を生やす』といいますよね。そこから命名した言葉でしたが、一般名詞になりましたね」
皮肉を込めて話す田中氏には、現在熱中していることがある。