売上高ランキングでトップを走る、大口BTCトレーダーの仮想通貨投資戦略とは?

 実は、過去も今もビットフライヤーの出来高ランキング上位を占めているのはbot(自動売買プログラム)勢。“手張り”で上位にランクインするMOON氏は異色の投資家だ。 「ただ昨年後半の仮想通貨バブルを受けて市場参加者が急増。中国での規制強化もあり、OKExを見て発注するやり方が通用しなくなりました。そのため、今はスキャルよりもスウィングトレードが中心です。今年に入ってボラティリティ(変動率)が低下しているので、数日ないし数週間、ポジションを持ち続けることもあります」  資金効率を上げるためにレバレッジ取引も活用。現在は、ビットフライヤーに加えて、最大100倍のレバレッジをかけてBTC取引ができる海外取引所「BitMEX」も利用している。 「BTCをトレードする際に、円建て価格だけ見ていても意味がありません。海外の参加者のほうが多いんですから。今年ですと4月初旬につけた6400ドルの安値は非常に重要な節目。この安値形成後に7000ドル台前半で1週間近く揉み合ったので、そのタイミングで私はロングを仕込みました。損切りライン=6400ドルで、わかりやすかったからです」  この狙いは、見事に的中する。
トレンドラインのブレイクを手掛かりに買い

【トレンドラインのブレイクを手掛かりに買い】日足に引いたトレンドラインをブレイクするのと前後して、BTC価格は底値圏で揉み合い。1週間近く安値を割り込まなかったことを確認して、買いポジションを仕込んでいったという

「揉み合った後に急騰して、トレンドラインを上抜けたので、底打ちしたと判断して放置。すべてを利益確定したのはエントリーから1か月後でした」  利確の目安にしたのは、日本の“特殊なシステム”だった。 「ビットフライヤーの『SFD』です」  SFDとは、ビットフライヤーが独自に採用している「現物価格とFX価格の乖離を埋める」ための仕組み。現物よりも高値で推移する傾向のあるFXに対して、その「乖離率を広げる」トレードを行うと、一定の手数料が徴収される。FX価格が現物価格を5%上回っている状態でFXの買いを入れると購入額に対して0.25%の手数料が発生する。乖離率が高くなるほど、発生するSFDも高くなるのだ。
次のページ
SFDを嫌う流れを逆手に取る!
1
2
3
ハッシュタグ
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会