ニカラグアのオルテガ独裁政権への抗議デモは400人以上の犠牲者を出す事態に。もはや「内戦」化しつつある
人権を軽んじ、国家を私物化する為政者に学生が蜂起! 広がるニカラグアのオルテガ大統領退陣運動」)
かつて、1979年まで続いたソモサ一族による独裁体制に終止符を打ち、政権を握ったダニエル・オルテガだが、1990年に一度失脚し、2007年に再度大統領を就任して以来、ロシアとの関係を強め、ロシアの支援をもとにソモサ一族と同様に国家の資産を私物化して独裁政権化していた。
このロシアの支援は、食料やトラックだけではない。2015年から方向転換して、ニカラグアに武器の供給を盛んに行うようになるのである。それによって、ニカラグアは自国の軍事力を増強させて中米における軍事的影響力を拡大しようとするのであった。それによってロシアはニカラグアを通して米国を牽制するようにしたのである。即ち、ニカラグアは中米におけるロシアの代理を務めているような存在になっていたのである。
ニカラグアはラテンアメリカでハイチに次ぐ2番目に貧しい国とされている。ロシアからの武器の供給に対し、その支払いは充分には出来ない。そこでニカラグアの土地490万ヘクタールを提供し、ロシアのラテンアメリカにおける諜報活動を支援する基地としての役目を提供もした。その結果、欧米の全地球測位システム(GPS)に相当する衛星測位システム(Glonass)の基地がニカラグアに設置されることになった。(参照:「La Prensa」)
基地以外にもロシアとの関係を表すのは、先述したような軍備に関するものだ。オルテガがロシアとの絆が如何に強いかということを示すものとして、戦車や戦闘機、ミサイル艇などをロシアから導入しているが、外国の軍人およそ400人も入国させている。その大半はロシア軍人だと見られている。それは軍事的そして人道的支援が目的だとしている。(参照:「Culturaeko」)
これら一連のロシアからの支援がある限り、オルテガが政権を容易に手放して他国に亡命する可能性は考えられないということなのである。現在の紛争に持ち堪えて、そのままに首都マナグアに居座るつもりなのである。また、ロシアにとってもニカラグアを容易に手放すことは当然望んでいない。
4月に始まった中米ニカラグアの反政権デモはすでに400人以上の犠牲者を出す事態になり、もはや「内戦」とも言える状態になっている。
このデモは、社会主義革命を掲げたサンディニスタ民族解放戦線(FSLN)のリーダーである現在のニカラグア大統領、ダニエル・オルテガの政権が社会保障制度改革を行い、負担金の引き上げや年金削減に踏み切ったことに端を発する。(参照:「ロシアをバックに君臨するオルテガ政権
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