どのフィールドスポーツでも、ビデオの精度が保たれていたのであれば、極端に言えば審判がフィールドに居る必要はもはやない。プロの審判がやるべき仕事は、正しいジャッジのはずだ。それならばフィールドでファウルを目視して判断することはビデオ解析に精度が上がれば必要なくなるからだ。
もちろん、コールや笛をフィールドの選手に届けなくてはいけない役割はあるし、アマチュアなど予算のない世界では機材を導入し運用することを考えても、あくまでも極論であって現実的ではない。
しかし、誤審は何も良いことなどない。少なくともプロの試合であれば、フィールド告知用スピーカーなどを設け、審判はスタンドや審判室から充分なビデオ設備の基で判定を下す運用を確立すれば誤審は減る可能性を秘めていると言えるのではないだろうか。プロとして試合を提供するサービスを行っているわけだから、試合のスムーズな運行を提供するのはサービスの一つだとも言える。
審判の威厳は本来、正確なジャッジとともに、試合の適正な運行をすることで保たれるものだと思う。ジャッジのためのツールをうまく使いつつ、試合運行を円滑にしてゆくという仕事ならば、審判本来の仕事が失われるわけでもない。今後の審判のあり方を、付け焼き刃ではなく、イチから考え出してみても良いのではなかろうか。
【シグナルRight(佐藤永記)】
半勤半賭のセミギャンブラー。Twitterやニコ生『公営競技大学』にて公営競技について解説をしている。
@signalright