真夏の東京五輪。東京の猛暑を知る外国人は、口を揃えて「クレイジー」
2020年、猛暑が予想される東京で7月24日から8月7日にかけて五輪が開催されることについてどう思うか? 外国人に訊ねると、いずれも第一声は「クレイジー」だった。
今回、メールや各種メッセージサービス、対面での取材は英語圏、非英語圏、欧米、アジアなど国籍に関わらずさまざまな外国人に質問を投げてみた。皆が同じ反応をしている以上、外国人から見た東京五輪が「クレイジー」だというのは、まず間違いないだろう。
まずは’16年から日本で暮らしているアメリカ人男性(37歳)の意見だ。
「クレイジーだと思う。外を歩くだけでも大変だよ。オリンピックの参加者は世界で一番のアスリートだけど、彼らの安全性は考慮されるべきだ。スポーツはエンターテイメントで、誰もリスクに晒されるべきじゃない。特に国家の威信なんてくだらないもののためにね」
安全第一というのは五輪に限らず、スポーツを行ううえでの大原則だ。日常生活ですら熱中症のリスクが高まる環境のなか、激しい運動をするというのは、言うまでもなく危険である。
また、開催時期をズラすべきだという声もあった。
「7月とか8月にやったらクレイジーだよ。6月とかにやれればいいんだけどね」(男性・34歳・カナダ人)
なぜ、クレイジーだと思うのかと訊ねると、どちらも「異常な気温だからだよ。それ以外なにがあるの……?」と返されてしまった。この環境下で安全性を議論すること自体が論外といった様子だ。
「北京五輪のときもマラソンのスタートは朝7時にしたけど、それでも暑さで棄権者が結構出たよ。北京より暑い東京の夏でやるのは信じられないよ」(男性・31歳・中国人)
「クレイジーだよ。そんな暑さじゃ、アスリートが記録更新を狙えるような力は発揮できないだろうね。モチベーションも上げにくいだろうし、観ている側もワクワクするより、不安になるんじゃない? しかも、たくさんボランティアを雇うんでしょ? タダ働きさせたうえに病人とか死人が出たら、誰がどうやって責任を取るんだろうね」(男性・28歳・ポーランド人)
新国立競技場の建設費など、すでに莫大な予算が投じられている東京五輪。そのいっぽうで国立競技場への冷房設備の導入はコストカットで断念されるなど、プレーするアスリートや観客への暑さ対策はまるで進んでいない。
予算は膨らむばかりだが、無料で酷使されるボランティアのように、不思議と当事者たちに費やすべき部分は真っ先に切り詰められている。「みんなで頑張ろう」という部分ばかりが強調されるが、小池百合子都知事が打ち出した「首に濡れたタオルを巻く」「打ち水」といった対策は、外国人はおろか日本国内ですら失笑を買っているのが現実だ。
アスリートよりも国のプライドを優先
1
2
ハッシュタグ