慢性期脳梗塞や認知症改善に一筋の光明か? バイオ企業が進める新薬臨床試験
サンバイオ)
そのフェーズ2b臨床試験は、患者組み入れ完了後の12か月の経過観察期間に入っており、トップライン結果を2019年2月~7月の間に発表する予定で、慢性期の脳梗塞についての改善効果が期待されているのだ。
また、外傷性脳損傷に関しても、日米2か国で実施しているフェーズ2臨床試験(二重盲検試験:どのグループにどれだけの量の薬を与えたかは,医師、被検者ともにわからないようにしておき,結果を推計学的に判定する方法)において、米国では2016年7月に、日本では2016年10月にそれぞれ初の被験者の組み入れが開始され、2018年4月に予定組み入れ被験者数52人のところ61人の被験者の組み入れを終了した。6か月の経過観察期間を経て、2019年1月までの結果公表が予定されている。
筆者が治験結果を予想することはできないが、サンバイオの再生細胞薬「SB623」によって慢性期脳梗塞や外傷性脳損傷が改善したのではないかと思われる事例が報告されている。
慢性期脳梗塞では、2016年6月2日放送のCBSニュース(参照:Breakthrough Stem Cell Treatment Gives Stroke Victims Stunning Recovery)で、慢性期脳梗塞で上がらなかった腕が上がるようになった、うまく話すことができなかったのが話せるようになった女性の事例が報告されている。
外傷性脳損傷では、2018年2月23日放送のBS-TBS「健康科学ミステリーで、自宅ロフトから転落した外傷性脳損傷の日本人男性が、上がらなかった左腕が上がるようになった、動かなかった左足首が動くようになった、杖無しで歩けるようになった事例が報告されている。(注:二重盲検試験なので、再生細胞薬「SB623」がどれだけ使用されたのか、あるいは、まったく使用されなかったのかは現段階では不明である)
慢性期になってリハビリの効果が期待できない慢性期脳梗塞や外傷性脳損傷、あるいは改善効果が期待しづらかった認知症を患う人にとって、一筋の光明になるかもしれない研究が進んでいる。
その研究を進めているのは、2001年、米国シリコンバレーで創業したバイオベンチャー「サンバイオ」という企業だ。同社は、「不可能を可能にする」といった志のもと、脳梗塞や外傷性脳損傷など中枢神経系疾患領域の再生細胞薬を開発している。現在、慢性期の脳梗塞と外傷性脳損傷を対象に画期的な治療薬の実現を目指している。
2017年6月30日、サンバイオは、米国で実施している再生細胞薬SB623の慢性期脳梗塞を対象としたフェーズ 2b 臨床試験に対して、カリフォルニア州再生医療機構(CIRM)から20百万米ドルの補助金を獲得した。(参照:一部報道では改善効果を予感させる事例も
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