元日経記者が500万円の大損をしてやっと気づいた、元本割れを避け、確実に年1割の利益を得るための「心構え」

三橋規宏

ハイリスクの部分を封印して「ローリスク・ミディアムリターン」を狙う

悩むサラリーマン 以前は、株取引といえば「ハイリスク・ハイリターン」の世界。素人には怖くてとても手が出せない世界だと考えられてきました。事実その通りだったと思います。

 ところがICT革命によってネット取引が可能になってきました。ネット取引は従来の株取引ルールを根底から変革し、おカネの運用に当たって「ローリスク・ミディアムリターン」への道が拓けました。

 コツコツと大切に貯めたお金は、預金金利が高ければ銀行や郵便局に預けるのが最も安全だと多くの日本人は考えてきました。特にシニア層の間では、預金信仰はとても強いと思います。

 だがゼロ金利の時代が20年以上も続くなかで、銀行に預けてもお金がほとんど増えないことに失望しています。もし銀行預金をネット株の運用に振り向け、元本を減らさず、投入資金の1割程度の利益が得られる手法があればこんな結構な話はありません。

 そんなうまい話があれば自分もやってみたいと思われる方は少なくないと思います。しかしネット株でも、これまでのように「ハイリスク・ハイリターン」を目指して信用枠をフルに活用して運用すれば、間違いなく大やけどをしてしまうでしょう。

 ネット取引を上手に運用し、「ローリスク・ミディアムリターン」を目指すためには、石橋をたたいて渡るような慎重さ、ハイリスクの部分をできるだけ封印するためのさまざまな工夫、安全対策が必要です。

「石橋を叩いて渡る」ネット株投資の方法とは

株価2 それでは、「石橋の上手なたたき方」について説明していきましょう。

①「安値買い、高値売りで差益を得ること」を大原則とする

 株取引の基本は、安値で買って高値で売り、その差益(売却益)を得ることです。これは何も株だけに限ったことではありません。外国為替取引でも同じことが言えます。もっと広げて言えば「安値買い、高値売りで差益を得ることは、市場経済の大原則」と言ってもよいでしょう。

 この大原則が成り立たなければ、市場経済は機能しません。たとえば、メーカーは原材料を低価格で入手し、加工などの付加価値を加えた製品を作り、市場でできるだけ高い価格で売ることで利益を得ます。

 スーパーや百貨店などの流通業界でも、安値仕入れ、高値売りで儲けが得られます。銀行も、預金者に支払う預金金利よりも高い貸出金利で事業者にお金を貸します。その預貸金利差が、銀行の主要な収入源になっています。

 市場経済は市場参加者の競争が原則ですから、できるだけ安い価格で仕入れ、できるだけ高い価格で売ることに成功した者だけが勝者になれます。しかしこれは簡単に見えて、実はなかなか難しい。市場にはさまざまな人が参加してきます。

 自分では安く仕入れたと思っても、それ以下で仕入れる人が現れれば優位性がなくなるし、高く売り抜けたと思っても、それ以上の高値で売り抜けるライバルが出てくるかもしれません。

②“相場観”を磨くことが必要、と心得る

 株式も安値で買って高値で売り抜ければ儲けが得られますが、安値で買ったと思っても、逆にそれ以下に価格が下がれば損をしてしまいます。株取引の原理は簡単ですが、それなりの“相場観”を磨き、損をできるだけ回避するためのノウハウを身につけなけないと、とんだ火傷(やけど)をしてしまいます。

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専門家の予想は知るべきだが依存するな

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