猛暑日本。南国タイの人々は暑さをどうやってしのいでいるのか?

高田胤臣

8月上旬の13時の写真。影がほとんど伸びていない

 観測史上最高気温を更新したというニュースや、熱中症で担ぎ込まれる急患が相次いでいる日本を東南アジアのタイから見ていると、ふと「そういえばタイでは熱中症にかかる人の話は聞いたことがない」ということに気がついた。タイ人はどのように暑さを凌いでいるのだろうか。

 実際には熱中症にかかる人はゼロではないようだが、タイ人は熱中症にはなりにくい。外国人も、突発的な気温上昇ではなく年間を通して常時高温多湿が続くため、熱衰弱症(夏バテ)にはなりやすいが、熱中症まではいかない。

南国タイだが日本の夏よりは過ごしやすい!?

 これを執筆している日本時間7月25日未明のバンコクは気温29℃だ。日本の気温を見ると28℃。タイのほうが高いように見えるが、日中はせいぜい31℃から32℃台で推移しているので、日本よりはずっと涼しい。これはタイが今現在は雨期であることもあり、雨が降れば気温が下がるために平均気温がこのようになっている。

 年間でタイが1番暑い時期は4月5月で、39℃台になる。このころだと太陽が真上に来るため正午は影が伸びず、例えば水を一滴地面にたらせば、たちまち蒸発するほどだ。道路が熱したフライパン状態で、体感気温も40℃を超えていると言っても過言ではない。

 タイに長く住んでいる人の多くが口を揃えるのは「日本の夏のほうがタイよりも暑い」ということだ。確かに日本の7月から9月はタイよりも暑い。タイの最も暑い季節は乾期のためにカラッとしているので、数字で見るほどにしんどいものではないのだ。日本はちょうど梅雨のあとということもあってか、蒸し暑くて過ごしにくいという違いがあるのだ。

 そのため、タイと日本の暑さは同等に比較することはできない。

暑くても長袖を着るタイの人たち

 タイがもっとも暑い4月5月は乾期まっただ中なのだ。そのため、湿度は高くなく、日陰に入れば多少は暑さを和らげることができる。そのため、タイ人はできるだけ日陰を好んで歩き、日向に出ることはしない。以前、知人にタイ空軍の航空ショーの様子を撮影した画像を見せてもらったことがあるが、母親など飛行機に興味のない女性陣はみな戦闘機の下に入り込んで涼んでいた。飛行機の影の形のままにタイ人女性が密集し、まるで石の下にいるダンゴムシのようだった。

田舎の子どもは教えたわけではないのに、日陰から出ないで遊ぶ

 それに、タイは美白信仰が日本女性より強い。とにかく白い肌がすべてと言わんばかりで、男性も女性も陽に当たることを嫌う。これはタイでは富裕層に多い中華系タイ人の肌が白いことと、色白は陽に当たらない仕事をする人(富裕層やホワイトカラーなど)だからエリートという認識からである。そのため、できるだけ陽に当たらないよう、できれば外に出ないし、そんなときでも長袖を着たりする。

 暑くても長袖は案外合理的でもある。タイは南国であるため、陽射しは刺すように強いし、照り返しも激しく肌を傷める。これを避けるためにサイズオーバーのシャツを着ると、逆に涼しいという利点もある。タイ人の生活習慣は暑さに対する知恵なのである。

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水浴びもやっぱりポピュラー

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