退職後の株投資で大損こいた元日経新聞記者が辿り着いた「ほどほどの利益を得る」投資術

年間1割程度の利益を得る「ローリスク、ミディアムリターン」の構想が浮かぶ

 それでは、ネット株をどのように運用すれば、「低リスク、ほどほどの利益」を得ることができるのでしょうか。具体的な方法はこのシリーズで順次説明します。私は以後、「低リスク、ほどほどの利益」のことを「ローリスク、ミディアムリターン」と呼ぶことにします。「ハイリスク、ハイリターン」の対極にある概念として位置付けたいからです。  あらためて定義すると、「ローリスク、ミディアムリターン」とは、投入資金の元本を減らさずに、年間最低1割程度の利益を得るための手法です。この手法を開発したいと思いました。例えば1000万円でネット取引をする場合は、年間100万円(税込み)の利益、2000万円の場合は200万円の利益が得られるような運用です。  1割程度が多いか少ないかの評価は人によって様々でしょう。従来の投資家から見れば、なんともみみっちい話として一笑に付されてしまうかもしれません。半面で金利ゼロの預金に苦しんでいる多くの高齢者、サラリーマン、サラリーウーマン、家庭の主婦などにとっては、1割の利益が安定的に得られるならとても魅力的なはずです。 ◆石橋叩きのネット株投資術第5回 <文/三橋規宏> みつはしただひろ●1940年生まれ。1964年慶応義塾大学経済学部卒、日本経済新聞社入社。ロンドン支局長、日経ビジネス編集長、科学技術部長、論説副主幹、千葉商科大学教授、同大学名誉教授、環境を考える経済人の会21事務局長等を歴任。主著は『新・日本経済入門』(日本経済新聞出版社)『ゼミナール日本経済入門』(同)『環境経済入門』(日経文庫)『環境再生と日本経済』(岩波新書)『サッチャリズム』(中央公論社)『サステナビリティ経営』(講談社)など。
経済ジャーナリスト。1964年、日本経済新聞社入社。ロンドン支局長、日経ビジネス編集長、論説副主幹などを経て、千葉商科大学政策情報学部教授。2010年から名誉教授。専門は日本経済論、環境経済学。編著書に『新・日本経済入門』(編著、日本経済新聞出版社)『環境が大学を元気にする』(海象社)など多数。『石橋をたたいて渡るネット株投資術』(海象社)を8月9日に上梓。
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