ロシアW杯、中国代表は出てないのになぜあんなに中国企業の広告が多かった?

中国代表は出ていないけど中国国内では盛り上がっている

 中国代表はW杯のアジア最終予選で敗退し、本大会の出場は逃した。そのため、中国代表が不在の中で中国企業ばかりが目立つW杯となり、中国国内では皮肉的な意見も出ているが、それはともかく中国ではサッカーへの関心が高い。中国代表のレベルは決して高いとは言えないが、国家戦略でサッカーの強化を進めている。また、落ち着きの様相を呈しているものの、中国のサッカークラブはスター選手を続々と獲得し、国内リーグの超級リーグは一定の盛り上がりを見せている。  W杯の期間中は中国に滞在しているが、上海地下鉄の駅ではW杯の得点ランキングを掲示し、杭州地下鉄の車内では終盤の戦い方が物議を醸した日本対ポーランドの試合が放送されていた。ほかに、上海市内の商業施設に入るフードコートでもW杯の試合を放送するなど、W杯に関連したコンテンツを目にする機会は多かった。 wcpr3  そして、vivoはFIFA W杯スポンサーズとしての地位を積極的に活用しており、一部の主要な店舗はW杯に合わせて改装し、W杯を記念した限定版のスマホまで発売した。FIFAとパートナー契約を締結していない企業までW杯に便乗しており、例えば中国移動通信集団(China Mobile)の上海市子会社はW杯に合わせたプロモーションを展開していた。

W杯を記念したスマホ「vivo X21 FIFA世界杯非凡版」

 中国滞在を通じて、確かに中国でもW杯への関心は高いように見受けられた。このように中国ではサッカーが熱いため、知名度の獲得やイメージの向上を狙い、中国代表の出場に関係なく広告を出稿する価値があると判断したようだ。

W杯に便乗するChina Mobileの販売店(上海市)

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中国ブランドの国際戦略
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バナー 日本を壊した安倍政権
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