東松山市長選に立候補した女性装の東大教授、安冨歩氏の奇抜な街宣の背後にある実直な主張

安冨歩さんの発言をもっと「ツダる」べきである

 僕から提案することは2つです。1つ目は、安冨歩さんを支持する人たちは、積極的に「ツダる」べきだと思います。  「ツダる」とは、発言をTwitterなどで書き起こしていくことです。安富歩さんの写真などを添えながら、安冨歩さんが言ったことをリアルタイムでつぶやいていくのです。これは僕がある候補のネット対策を担当をした時に積極的に繰り広げた戦術であり、安冨歩さんのような著名な方なら特に有効です。  実際、安冨歩さんは素晴らしいコメントをいくつも残していますので、バズられる確率も高くなります。もちろん、そのバズられたものが巡り巡って東松山市民にササったら最高なのですが、東松山市民にササらなくても、これから立候補しようとしている予定候補者の心にササるかもしれません。  そうしたら別の街で安冨歩さんの政策が実行される可能性が出てきます。もっと多くの人が安冨歩さんの発言に触れた方がいいと思いますので、この「ツダる」という行為は必要です。街頭演説に同行している人もたくさんいますので、安冨歩さんの発言をどんどんネット上に流していった方がいいと思うのです。

ポテンシャルを最大限に引き出すことを考える選挙

 今回の東松山市長選は、新潟県知事選のような戦略と戦略のぶつかり合いみたいな選挙ではありません。  安冨歩さんは現職のマイナス面を口にして票を削るような戦いをせず、ただ自分の主張を訴えていく選挙を展開しており、現職の選挙カーが駅前に来た時には「あと○分で終わりにします」と宣言して、場所を譲って、違う場所で街頭演説を始めるほどです。  これほど理想的な選挙を展開する人は初めて見ましたし、こういう精神は見習いたいもの。まさに「人間力」みたいなところで言えば、僕が見た中でも過去最高の候補と言えるかもしれません。なので、せっかくこのような素晴らしい人間力を持った候補が立候補しているのに、応援しているスタッフが悪口を言っている場合ではないし、内輪でモメている場合でもありません。やはり考えるべきベクトルは、どうしたら安冨歩さんの魅力を多くの人に伝えられるかという一点に絞ってもいいのではないでしょうか。  これは東松山市長選に限った話ではありませんが、現職に勝つためには前々から地域のトピックスを市民と共有していることが大切です。  先日の中野区長選で言うならば、桜並木の伐採問題、平和の森公園の破壊、中野サンプラザの再開発など、選挙の前から「現職は判断を間違えている」ということが話題になっていました。つまり、選挙の時だけ「あれがおかしい」と言ったところで、そのおかしい部分を市民と共有ができていないので、実績のある現職と、政治経験のない新人を比較した時に、安定を求めて現職に投票するのは極めて当たり前の投票行動です。  なので、当選するためには日頃から東松山市の問題点を市民たちと話し合っている必要があるのですが、安冨歩さんが立候補を決める前から市民と情報を共有できていたかと言われたら、けっしてそんなわけではないと思います。ということは、もともと新人が勝つには難しい選挙ということになります。しかし、そんな中でもなるべく善戦をしてほしいという願いは変わらないわけですから、そのためにできることは何かと言ったら、とっても当たり前のことなのですが、安冨歩さんの魅力を伝えることではないかと思うのです。一人でも多くの人に安冨歩さんの言葉を届けることが大事です。なので、安冨歩さんの言葉をどんどん発信していくべきでしょう。この共鳴を東松山市だけでなく、全国に広げることが選挙のポイントになると思います。ご健闘をお祈りいたします。 <取材・文・写真/選挙ウォッチャーちだい(Twitter ID:@chidaisan> ちだい●選挙ウォッチャーとして日本中の選挙を追いかけ、取材活動を行う。選挙ごとに「どんな選挙だったのか」を振り返るとともに、そこで得た選挙戦略のノウハウなどをTwitterやnote「チダイズム」を中心に公開中。立候補する方、当選させたい議員がいる方は、すべてのレポートが必見。
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