女性MC限定の「CINDERELLA MCBATTLE」なども開催してきたが、女性客の大幅増加には繋がらず
◆「ダメリーマン成り上がり道」#6
いかに女性客を取り込むか? スポーツや音楽といったエンターテイメントの興行はもちろん、近年、ビジネスシーン全体で考えられているテーマだ。
「カープ女子」を見てもわかるとおり、主に男性がプレーしたり、ステージに立つイベントで新規客を増やすには女性の獲得が不可欠だ。戦極MCBATTLEを主催するMC正社員の連載『ダメリーマン成り上がり道』の第6回は、
MCバトルにおける女性客の存在について取り上げる。
『フリースタイルダンジョン』や『高校生RAP選手権』といった番組の放送をキッカケに、多種多様なイベントが開かれるようになったMCバトル。しかし、イベントの数が増えたからといって、そのすべてが集客に成功しているわけではない。
「昔はMCバトルのデカい大会は、日本一を決めるUMB(ULTIMATE MC BATTLE)だけでした。どの地方でも、年に1回UMBの予選がある以外は、小規模なイベントが1~2か月に1回ある程度。それが、ここ数年は『戦極MCBATTLE』『MC BATTLE THE 罵倒』『KING OF KINGS』といった大きな大会が出てきただけでなく、都心では毎週末のように開催される小さな大会も増えた。お客さんは
有名なラッパーが出るイベントを選ぶようになりますし、全体の数が増えたことで
小さな大会はお客さんもエントリーするMCも集まりにくくなりました」
ブームだからといって、イベントを開催しても舞台に立つMCや、観客がいなければ話にならない。MC正社員も、エントリーするMCを集めるために様々なことを意識しているという。
「まずは
“夢を見られる大会”にすることが大事です。例えば、自分の名前とバトルの映像が配信されて、何万回も再生される……。そんな状況なら、名前を売りたいMCはモチベーションが上がりますよね? これだけとっても、映像配信は絶対にするべきだし、配信をしていないイベントは人が集まりにくいと思います。また、活躍すれば自分も
“MCバトルシーンに加われる”と思ってもらえるように、大会の規模や知名度を大きくしていくことも大切です」
知名度アップに繋がり、シーンにコミットしている気持ちが味わえる……。単にお金を払ってエントリーし、“お客さん”としてMCバトルに参加してもらうのではなく、当事者意識や共有感を味わってもらうことが大事なのだ。そのため、エントリーするためのハードルを低くすることも意識しているという。
「数千円のエントリー料さえ払えば誰でも参加できる、そして
『初心者でも出てよさそう』という雰囲気を作ることが大事ですね。いっぽうで、『
“ヤバいやつら”が出ているイベント』という印象も持ってもらわないといけませんが、本当に
スキルの高い“ヤバいやつ”ばかりじゃ大会が成り立たない(笑)。そこのバランスが難しいです」
出場者の質を保ちながら、新陳代謝を進める……。難しいようにも思えるが、エントリーするMCたちに対して「一見さんお断り」ではなく、「オモテナシ」をすることが大事だということだろう。規模が拡大し、レベルが上がっていくと、意外とそういった部分は見落としがちだ。