ポピュリズム右派政権樹立のイタリアを皮切りに忍び寄るEU崩壊の危機

伊マッタレッラ大統領

伊マッタレッラ大統領 写真/AP/アフロ

財政危機で伊に再度反EU派が台頭する!?

 イタリアはポピュリズム政党を無視できず、積極的な財政出動を進めるでしょう。そうなれば財政規律が緩み、EUが定めるルールを逸脱するのは明らか。EUが再び、財政健全化を求めれば、イタリア国内では反EU派の声が高まるという悪循環に陥ります。ECB(欧州中銀)によるテーパリング(量的緩和縮小)が本格化すれば、大幅な金利上昇を伴ってイタリア経済が冷え込むのも間違いありません。  このほか、ラホイ首相が辞任したスペインではバスク州やカタルーニャ州の独立問題が鎮静しておらず、ドイツやオーストリアでも極右政党が躍進するなど欧州政局は混乱状態にあります。さらに、当初からユーロに参加した国のなかではポルトガルやアイルランドも財政危機を脱していません。EUの定める規律を満たしているのは、ドイツとオーストリアの2か国ぐらいのものです。付け加えておくと、昨年話題をさらったフランスのマクロン大統領の支持率は、今やトランプ氏の支持率を下回っています。各国が個別の火種を抱えながら寄り集まっているのです。オリジナルメンバーの離脱を伴う本格的なEU崩壊の危機は、刻々と高まっていると言っていいでしょう。 【闇株新聞】 ’10年創刊。大手証券でトレーディングや私募ファイナンスの斡旋、企業再生などに携わった後、独立。証券時代の経験を生かして記事を執筆し、金融関係者・経済記者などから注目を集めることに。現在、新著を執筆中 photo by Giovanni Legnini via flickr(Public Domain) ― 2018年後半戦を読み解く4大経済ニュース ―
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