だが、Yaney氏によると、今年2月の時点ですでに1000万ドルの資金を調達。さらに6月14日にBloombergが報じたところによれば、Googleの親会社として知られるAlphabetや、欧州の航空宇宙メーカーのエアバスが出資する投資会社エアバス・ベンチャーズ(Airbus Ventures)などから、新たに総額4000万ドルを調達したという。
新しいロケットを開発しようと資金集めに奔走している企業は世界中にいくつもあるが、その中でもこの額は比較的大きく、投資家からの期待の高さがうかがえる。
もっとも、テック企業への投資という点から見れば、数千万ドルという金額はそれほど大きいわけではない。スピンローンチにしても、これだけの金額で実用化できるとは思っていないだろう。
また、投資側にしてみれば、開発で生まれる可能性のある技術、たとえば大容量のコンデンサーや高効率のエネルギー変換技術を得ることが目的なのかもしれない。どちらも、スーパー・コンピューターや電動飛行機など、すなわち投資したAlphabetやエアバスの事業に役立つ技術である。
いずれにしても、スピンローンチの今後に注目したい。
<文/鳥嶋真也>
宇宙開発評論家。宇宙作家クラブ会員。国内外の宇宙開発に関する取材、ニュース記事や論考の執筆などを行っている。新聞やテレビ、ラジオでの解説も多数。著書に『イーロン・マスク』(共著、洋泉社)など。
Webサイト:
http://kosmograd.info/
Twitter: @Kosmograd_Info(
https://twitter.com/Kosmograd_Info)
【参考】
・http://spinlaunch.com/(
http://spinlaunch.com/)
・Stealth space catapult startup SpinLaunch is raising $30M | TechCrunch(
https://techcrunch.com/2018/02/22/spinlaunch-2/)
・This Startup Got $40 Million to Build a Space Catapult – Bloomberg(
https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-06-14/this-startup-got-40-million-to-build-a-space-catapult)
・SpinLaunch raises $40M for space catapult – GeekWire(
https://www.geekwire.com/2018/spinlaunch-raises-40m-airbus-google-others-space-catapult/)
・Stealth Startup SpinLaunch Raises $40 Million for Radical New Launch Strategy(
https://www.space.com/40910-stealth-startup-spinlaunch-new-launch-method.html)