サッカーだけじゃない。映画『ハン・ソロ』は監督交代で予算規模も巨大に

 いよいよ、開幕したサッカーロシアW杯。大会2か月前に解任された日本代表のハリルホジッチ、さらに開幕前日に電撃解任されたスペイン代表のロペテギ監督のニュースが世間を騒がせたが、実はもうひとつ大きな“監督交代”があったことをご存知だろうか?

監督交代で史上最大の予算に

IMG_1305 といってもサッカーの話ではなく、舞台はハリウッド。電撃解任が起きたのは、6月29日から日本でも公開される映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』だ。同作は人気シリーズのスピンオフとして、昨年1月からイギリスのパインウッドスタジオで、フィル・ロードとクリス・ミラー監督のもと、撮影が開始された。  日本ではあまり馴染みのない2人だが、ベストセラーをCGアニメで再現した『くもりときどきミートボール』、人気ドラマを映画化した『21ジャンプストリート』、批評家からも絶賛された『LEGO ムービー』など、その実力は折り紙つき。コミカルでテンポのいいアクションシーンがウリで、皮肉屋として知られるハン・ソロのキャラクターにも作風がマッチするのでは……と、ファンからは期待されていた。  ところが、撮影開始から5か月が経ったころ、2人は「クリエイティブ面での相違」で監督の座を離れることに。この電撃解任について、『インデペンデント』の記事では次のように語っている。 「この映画を撮影した経験は素晴らしかったよ。キャストとクルーは最高だった。降板については、正しい意図があって起きたことだと思う。僕らと製作側では映画を撮影するアプローチが違ったんだ。乗り越えるには溝が大きすぎた」(ロード)  プロデューサーのキャスリーン・ケネディと衝突した、脚本のローレンス・カスダンと意見が合わなかったなど、この交代劇はさまざまな憶測を呼んだ。  結局、監督は『アポロ13』や『ビューティフル・マインド』などで知られるベテラン、ロン・ハワードが務めることに。しかし、監督交代後、70%とも80%とも噂される膨大な再撮影が行われ、『オブザーバー』などが報じるところによると、2億5000万ドルもの予算がかかったという。これはシリーズ全体でもっとも高額であるだけでなく、映画史を振り返ってもトップクラスの予算だ。  では、この監督交代ははたして吉と出たのか、凶と出たのか? まず、興行収入を見てみると、6月12日時点での国内興収は約1億8000万ドル。公開3週目に差し掛かるところで、この数字は惨敗と言ってもいいだろう。  続いて評判はどうか? 大手2大レビューサイトのスコアを見てみると、『ロッテン・トマト』では71%とまずまずな評価。しかし、『メタクリティック』では62点と寂しい結果に……。ちなみにシリーズ過去作の評価は過去のとおりだ。(左『ロッテン・トマト』、右『メタクリティック』) 『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』:93%・90点 『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』:95%・82点 『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』:80%・58点 『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』:55%・51点 『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』:66%・54点 『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』:79%・68点 『スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒』:93%・81点 『スター・ウォーズ エピソード8/最後のジェダイ』:91%・85点 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』:85%・65点  監督交代劇でドタバタが続いた『ハン・ソロ』は、『ロッテン・トマト』ではシリーズ全体で下から3番目、『メタクリティック』では4番目と、イマイチな評価なようだ。  しかし、すでに欧米で鑑賞した客の声を聞くと、ポジティブな反応も少なくなかった。 「評判が悪いって聞いてたけど、普通に面白かった」(男性・ポーランド人・28歳) 「映画館でポップコーンを食べながら観るのにはちょうどいい」(男性・アメリカ人・35歳)  監督交代の正否は劇場でたしかめたいところだ。
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監督交代で大ヒットした作品とは?
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