王女も首相も「恋チュン」。BNK48がタイで人気爆発、社会現象になっていた

「推し」は世界共通語に!?

 ショップへ来た中学生の男子生徒3人へ英語で好きなメンバーはと尋ねると、キョトンとした顔で「Oshi?」と返ってきた。何と”推しメン”の”推し”という日本語がそのままタイで使われていたのだ。改めて「推しは誰誰ですか?」と聞き直すと、ミュージック、モバイル、ジャー(注:BNK48メンバーの名前)と三者三様の推しが飛び出す。  モバイルは、今回の総選挙には出馬していないが大ヒットの恋チュンのセンターを務めており、先月のタイフェスへも来ていたBNK48の人気メンバーの1人だ。  代わりに彼らから推しメンを聞かれたので答えると、ふーんと予想済みのような顔だった。なんか心が読まれたようで恥ずかしいなと思っていたら、その後、彼らの口から衝撃的な言葉を耳にする。 「BNKを応援してくれてありがとうございます」  記者はその純真さにちょっと感激を覚えてしまった。  タイの音楽事情に詳しいそむちゃい吉田さんによると、タイの音楽業界はYouTubeの活用が上手で、ファン側もYouTubeで好きなアーティスト情報を得ることが当たり前になっているそうだ。  前出の恋チュンのPV数もそうだが、先月19日にYouTubeで公開された339人全立候補者の「政見放送」の再生回数上位にBNK48メンバーが複数ランクインしているのもそのせいだ。  速報で3位の宮脇咲良(HKT48)が再生回数24万5000回と上位3人のトップだが、BNK48キャプテンのチャープランは、速報上位3人を上回る32万1000回で全体の1位になっている。もちろん、この再生回数が直接、順位に結びつかないのは言うまでもないが、このBNKヲタパワーはものすごい力ではないだろうか(いずれも6月14日現在)。  なんだかタイのBNKヲタたちの来年はもっと投票しやすい仕組みにしてほしいという心の叫びが聞こえてきそうだ。

記者がショップで購入したシール120バーツ

<取材・文・撮影/我妻伊都(Twitter ID:@Ito_Wagatsuma)>
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