ラマダン時期はビジネスチャンス。期間中のイスラム圏の広告合戦がすごかった

鷹鳥屋明
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人気ハンバーガーショップ「ハーディーズ」のラマダンセット(28AED:約900円)

 こんにちは、鷹鳥屋 明です。

 今世界のイスラム教徒の皆様は聖なるラマダン月(ラマダーン)に入っており、この月の間は日の出から日の入りまでは断食「サウム」を行い、日の入りと共に食事を食べます。人によっては朝3時頃の日の出前にご飯を食べて日の入りまで我慢する、という形式をとる方もいます。

 このラマダン月では断食の間に精神面の安定性を重視し信仰を強め、コーラン(クルアーン)をよく読むことが重視されます。

 また喜捨などの慈善事業も盛んになる時期になっております。

 この断食月が終わると断食月明けの「イード」と呼ばれるお祭りシーズンとなります。この時期はイスラム教徒の方々にとってたくさんのイベントがある時期と言えます。

 さて、この断食が行われるラマダン月において中東に限らずイスラム圏の多くは行政や政府官公庁の仕事は進みにくくなり、民間企業も官公庁と合わせて半ドンで業務を終える企業が多いため全体的に業務は停滞気味と言えます。あとラマダン月における交通事情ですが皆さん空腹のためか運転が荒くなる傾向が強く、また血糖値が低いためボーッとしやすくなるためか交通事故が多発する時期とも言えます。

 このようにビジネスや移動などが少々大変な時期と言えますが、広告業界やテレビなどのメディア業界、飲食業界や小売業界にとっては大きな商機と言えます。

 通常の朝ごはん、昼ごはんを抜いて飲み物も飲めないこのラマダンの時期に多くの人たちは家で身体を休める時間が多くなります。

 そうなると日が沈むまでの間にテレビを観る、携帯を触る、インターネットを使う、などの時間が必然的に増えることになります。こうなりますとテレビの広告、インターネット広告、そして携帯の広告など大規模な広告合戦が繰り広げられます。

 さらにこの月は日本でいう新年のお年玉を子供は親や親戚からもらうことができることもあり、イスラム教徒の方々全体で財布の紐が緩みやすくなることから絶好の広告シーズンと言えます。実際この時期のテレビやインターネットなどの各種広告枠は通常時よりも掲載料が高くなると言われています。

ラマダンのインターネット広告

ラマダンのインターネット広告の一例、三日月がラマダンのモチーフ。


お小遣いをどうしようか

「お小遣いをどうしようか?」と悩む子供達の図。お小遣いは封筒に入れられるケースもあればゴムでお札が束ねられ渡されるケースもある。

 まず代表的な広告として日が沈むまで食事をしていないために日の入りに食べるものとして食欲をそそる様々なレストランやファーストフードの広告、レストランの広告が溢れています。このラマダン時期のバリューセットや限定メニューなどの紹介が増えます。

バーガーキング

ラマダン時期のバーガーキングの宣伝。ラマダンセットは26AED(720円)

 実店舗がある商店だけではなく、ショッピングサイトやEコマースのサイトでも多数の広告が出ます。中東でアマゾン・ドット・コムが出資している中東最大手のEコマースプラットフォーム、スーク・ドット・コムも大型のセールが多数出しております。

セールの対象

セールの対象となる商品には家電製品やカメラ、ゲームや携帯電話、タブレットなどが目立ちます。(中東EC最大手のSouq.comのトップ画面)

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エルサレムの聖なる岩のドームに向かうシーンをCMに

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