ブンデスリーガ2部のフォルトゥナ・デュッセルドルフに所属する宇佐美貴史 撮影/難波雄史
では、その“海外組”の人数はどうだろう? とはいっても、単純に他国でプレーする人数で強さを計ることは難しい。そこで、今回は世界最高峰と言われる欧州5大リーグに限定。スペイン「リーガ・エスパニョーラ」、イングランド「プレミアリーグ」、ドイツ「ブンデスリーガ」、イタリア「セリアA」、フランス「リーグアン」の所属する選手の数を集計してみた。
「欧州5大リーグ所属選手」(2部以下も含む)
上位5か国
フランス・ドイツ・イングランド・フランス (23人)
スペイン (22人)
下位5か国
サウジアラビア (3人)
ロシア・イラン・ペルー・パナマ (1人)
グループH
ポーランド 18人
セネガル 17人
日本 15人
コロンビア 13人
やはりと言うか、5大リーグを有する国の代表は、全員がそのうちどこかのリーグでプレーしている……。と思いきや、スペインは22人のみ。そう、
あのJリーグ・ヴィッセル神戸に移籍したイニエスタがいるからだ! こうして見てみると、あらためて彼の移籍がどれほど衝撃的なことかわかるだろう。5大リーグを有する5つの代表チーム・115人のうち、たった一人とは言え、Jリーグでプレーしているのだ。
『
ESPN』などが報じるところによると、W杯に出場する全選手のうち、74%がUEFA(欧州サッカー連盟)に加盟しているリーグから輩出されているそう。クラブごとでは、マンチェスター・シティから16人、レアル・マドリードから15人、FCバルセロナから14人が選ばれている。
ただし、5大リーグのチームに所属しているからといって、順位が低かったり、そもそも試合に出ていなければ、あまり意味はない。オランダの「エールディヴィジ」やトルコの「スュペル・リグ」、ポルトガルの「プリメイラ・リーガ」などのチームでも、上位になれば「UEFAチャンピオンズリーグ」や「UEFAヨーロッパリーグ」といった大規模な大会に出場できる。5大リーグに所属するクラブともガチンコで対戦できるので、そちらでレギュラーとして出場する選手と、ビッグクラブでベンチを温めている選手の実力を比較するのは難しいだろう。
また、南米の強豪チームであれば、欧州トップクラスと比べても引けを取らないクラブも多い。さらに近年は莫大な年俸を求めて中国などに移籍する選手も多い。残念ながら単純にランキングで強さを表せるほど、サッカーは単純ではないのだ。それでも、このランキングでは日本はコロンビアを抑えて3位に浮上! トップのポーランドとも3人しか変わらない。
撮影/難波雄史
はたして突然の就任となった西野朗監督のもとに、明るいデータは揃っているのだろうか? 大会後のランキングで日本が急浮上していることを祈りながら、ロシアW杯観戦に臨みたい。
<取材・文/林泰人>