中米グアテマラ、火山噴火で3つの村が全滅。貧しい国を襲った大災害

写真は2013年の噴火の様子。 photo by Kevin.Sebold via Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

 中米グアテマラで5月3日からフエゴ(Fuego)山の噴火が続いている。7日の現地紙『Prensa Libre』は<99人の死亡、200人余りが行方不明>と報じた。

 標高3763mのフエゴ山はグアテマラの首都グアテマラ・シティーから南西に35km離れた所に位置している火山である。

南北アメリカ大陸でもっとも貧しい国

 グアテマラは南北アメリカ大陸で最も貧しい国のひとつである。グアテマラの人口1120万人の56%が貧困層で、16%は極貧の生活条件下にあるという。500万人が日々の生活に必要なサービスが十分得られない地域で生活しているという。更に、深刻なのは、0歳から6歳までの子供の68%が貧しい生活環境下にあるということだ。(参照:「La Nacion」)

 この様な状況下にあるグアテマラで今回の火山の噴火が起きたのである。フエゴ山は1970年代から噴火活動が観察されていた。しかし、2015年から噴火活動が活発になり、これまで42回の噴火が確認されていた。

 5月3日から始まった噴火活動の中でも、2回目の噴火はこれまでで最大規模のもので、3000万㎥に相当する噴火物が噴出されたという。しかし、フエゴ山の噴火が非常に致命的となっているのは噴火物が単なる溶岩ではなく、火砕流と呼ばれているもので、細かく砕けた石、灰、ガス、高温の空気などが一体となって排出されているということなのである。

 その為、火口から流出されると、地面との摩擦抵抗が少ないために流れるスピードが非常に速い。その速さは時速にして110~320km! 渓谷のような斜面では、時速700kmまで到達するという。また、この構成物の特質から、温度も摂氏1000度になることもあるそうだ。この噴火の特質から容易に呼吸困難をもたらすことにもなる。(参照:「Gizmode」)

 フエゴ山のこれまでの小規模な噴火に慣れていた住民も大噴火となってから噴出される火砕流の流れるスピードに慣れておらず、逃げ遅れて高温の火砕流に飲み込まれて犠牲者になってしまったのである。好奇心から噴火の様子を見物していて逃げ遅れた者もいるそうだ。

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