東京入管前で父親の解放を求めるクルド難民の子供たち
法務省入国管理局の、滞在ビザを持たない外国人を収容する施設で自殺者が出た。そこでは暴力やひどい待遇が以前から問題になっていて、自殺未遂も多いという。その実態をリポートする。
集団暴力、無期限の拘束etc. 10年で12人が自殺・病死の現実
4月13日、東日本入国管理センター(茨城県牛久市)に収容されていたインド人男性ディパク・クマルさんが自殺した。同センターでは5月にも、日系ブラジル人とカメルーン人、トルコ籍クルド人が自殺を図るなど、自殺や自殺未遂が相次いでいる。(参照:「
相次ぐ外国人収容者の死。牛久の東日本入国管理センターで何が起きているか」)
遺族の無念は、インドでも報道された
入国管理局(入管)は法務省の部局の一つで、出入国審査などのほか、滞在ビザのない外国人を収容施設に拘束することも業務とする。その収容中の外国人の扱いのひどさが、国内外の人権団体や国連からも問題視されているのだ。
市民団体「SYI(収容者友人有志一同)」のメンバーで、入管事情に詳しい織田朝日さんは、「収容されている外国人への入管職員による暴力がひどい」と語る。
東日本入国管理センターで自殺したディパク・クマルさん
「先日、大阪入管に収容されているトルコ人が『入管職員たちに腕を折られた』と提訴しました。入管では、少しでも被収容者が反抗的な言動をすると大勢の職員が飛びかかり、何人もの体重をかけて床に押さえつける『制圧』が頻繁に行われています。腕を折られないまでも、アザだらけにされる被収容者は少なくありません」