photo from Armed Forces of the Russian Federation( (CC BY 4.0) )
インドとカタールがロシアの対空ミサイル・システムS-400を購入する意向に対し、前者には米国が牽制し、後者にはサウジが牽制するという事態が生じている。
インドはもともと旧ソ連の時代から武器はロシアからの供給にその大半が依存していた。現在もロシアへの依存度は高く、インドが所有している武器の65%はロシア製である。(参照:「
Zona Militar」)
モディ首相の誕生で、旧式となっていた自国製兵器の刷新が行われた。外国からの兵器の依存を減らす意味もあって、国産の戦闘機の増産や従来のパイプの太いロシアから戦車T-90を464台購入するなど90億ユーロ(1兆1700億円)の投資をそれに向けたのだ。フランスからも戦闘機ラファールを78億ユーロ(1兆円)をかけて36機購入。また、フランスの潜水艦スコルペヌ6隻の現地生産も進められた。
更に、ロシアとはヘリコプターカモフやフリゲート艦4隻を共同生産することも決定している。
その様な状況下にあったものの、オバマ前大統領とモディ首相の間ではうまい具合にバランスが取れており、インドはロシアからの武器の依存度の高い中国を牽制する意味で、米国からの武器の購入も開始していた。
ところが、米国にトランプが大統領として登場すると、インドのロシアからの武器供給の依存度が高いことに不満を抱いたようだ。
インドが今年1月にロシアの対空ミサイル・システムS-400の購入を決定すると、米国は最新のテクノロジーが搭載された対地攻撃が可能なドローンRQ-1プレデターのインドへの供給を中断する意向のあることを表明してインドを牽制したのである。
理由は、この高度のテクノロジーがロシアに渡ることを懸念しているというのである。(参照:「
Hispan TV」)
インドがS-400の購入を決定したのは、サウジのパトリオットMIM-104がイエメンから発射されたミサイルの迎撃に失敗して地上に落下したのをビデオで観てインドの関係当局はそれに落胆してS-400の購入により強く動かされたというのである。(参照:「
HispanTV」)
米国はインドに対して、ロシアからの意味ある兵器の購入に対し、米国は「敵対者に対する制裁措置((CAATSA)」を適用する意向のあることを表明するまでに至っている。しかし、インド側もS-400を諦める気配はない。CAATSAが及ばない範囲でS-400を5基、50億ドル(5400億円)で購入の為の手段を検討しているという。(参照:「
Zona Militar」)