迫る新潟県知事選。「原発再稼働」の争点を必死にズラす自民党側花角陣営と、経済問題も語り始めた池田候補

chidai9 米山隆一知事の辞任に伴い、6月10日に新潟県知事選が行われることになりました。まさか米山隆一さんが突然の辞任に追い込まれることになるとは与野党ともに想定外で、急遽、候補者を探すことになり、柏崎刈羽原発の再稼働を目指す自民党が擁立したのは泉田裕彦さんが知事だった時の副知事・花角英世さん、柏崎刈羽原発の再稼働に反対する野党側が擁立したのは新潟県議の池田千賀子さんでした。

改めて問われることになった「柏崎刈羽原発」の再稼働

 東京電力が管轄している原発は全部で3つあります。福島第一原発、福島第二原発、柏崎刈羽原発です。

 このうち、福島第一原発は1号機から4号機までが世界史に残るレベルの原発事故を起こし、5号機と6号機は停止中ですが、こちらも廃炉は免れない状況です。福島第二原発もギリギリのところで福島第一原発のような惨状を免れたものの、かなり危険な状態に陥ったことは事実で、原発事故によって多くの故郷が失われてしまったことを考えると、県民感情として福島第二原発の再稼働が認められる日が来るとは思えません。試しに「福島第二原発を再稼働しよう!」と言い出したら、一体、どれだけの人に「オマエ、何言ってるんだ?」と言われるでしょうか。

 事故を起こした張本人である東京電力が、いまだ反省も検証も済んでいないけれど、事故ったのはあくまで福島第一原発なので、「福島第二原発を再稼働しよう!」と言い出したら、なかなか頭が狂っていると思うのではないでしょうか。

 そんな中、今、問われているのは福島第一原発事故を起こした東京電力が「柏崎刈羽原発を再稼働しよう!」と言っていて、それを認めるかどうかです。

 花角英世さんは、「県民の皆さんが納得しない限りは柏崎刈羽原発を再稼働しない」と明言しています。しかし、そのやり方がスゴいです。原発の再稼働まであと一歩の段階まで進め、最終確認を信を問うために辞職し、選挙をもって県民の皆さんに判断してもらうというのです。

 果たして、そのやり方はフェアなのでしょうか。

 今もそうですが、花角英世さんを支持している人たちの中で「花角英世さんが原発を再稼働してくれる存在だから」という理由で投票するのは、ごく一部の原発賛成派だけです。多くの人は花角英世さんの官僚や副知事時代の実績から県政を期待していたり、自民党との太いパイプを利用してアベノミクスの恩恵を地方に届けてほしいと思っていたりと、原発以外のことを決め手にしています。むしろ原発を再稼働してくれることを決め手としている人は少数派なのです。きっと次の選挙でも、花角英世さんに投票する人は原発問題以外のものに期待して投票するのではないでしょうか。果たして、それを新潟県民の意志として捉えていいものなのでしょうか。

 一方、池田千賀子さんは、最初から「柏崎刈羽原発の再稼働はしない」と明言しており、心配なのは、知事になった瞬間に原発賛成派に寝返ることだけです。

 新潟県民は民主党政権時代、当時の野田佳彦総理がTPPを推進しようとしていて、自民党は新潟の農業をぶち壊すのかと憤慨して「TPP断固反対」と打ち出したものの、いざ自民党が政権を握った瞬間、TPP推進にまっしぐらだったという悲惨な寝返りを経験しています。そういう意味で、米山隆一さんが原発賛成に寝返ることはなかったのですが、「ハッピーメール」で知り合った女子大生の隣で寝返りを打っていたので、これはこれで別の悲劇です。やはり池田千賀子さんがどれくらい寝返る心配がないのかということは確認する必要があると思います。

 新潟県全体では柏崎刈羽原発の再稼働を積極的に望む人はいないものの、やはり原発が立地する柏崎市や刈羽村では原発の再稼働を望む声はあります。実際に柏崎市の中心街を歩いてみたのですが、小さな商店がいくつか点在する一角に、スナックが20店舗ぐらい密集するエリアを見つけました。

 例えば、このスナック街は柏崎刈羽原発が再稼働し、全国各地から原発作業員が集められると、地元の美人お姉さんたちがお酒を作り、とっても潤うのです。新潟は本当に美人が多いので、原発が再稼働してスナックもバリバリに再稼働すれば、さぞ楽しい夜になることは間違いないと思いますが、事故を起こした実績のある東京電力が何の反省もせずに再稼働して、よもや柏崎刈羽原発で事故を起こすようなことがあったら、柏崎市にも刈羽村にも人が住めなくなるのは言うまでもなく、柏崎刈羽原発は日本の真ん中に位置しているので、今度という今度は日本中が放射能に汚染され、日本という国そのものが終わることになるでしょう。まさか「スナックの美人お姉さんとの楽しい夜」と「日本終了」を天秤にかけるわけにはいかないので、地元の経済を回す方法を「原発一択」にしてしまうというのは、とても採算が合わないと思うのです。

次のページ 
名護市長選同様争点ズラしの与党陣営

1
2
3
4
5
関連記事
6
7