「過労死は自己責任」で炎上の田端信太郎氏にみるグローバルマッチョイズムと、その支持者の”病理”<北条かや>

北条かや
Tabata

写真は田端氏のツイッター

北条かやの「炎上したくないのは、やまやまですが」その27

 今年2月にLINEの執行役員を退き、3月から「ZOZOTOWN」運営のスタートトゥデイでコミュニケーション室長を努める田端信太郎の発言が、賛否両論を呼んでいる。



「自殺だから一義的に自己責任なのは当たり前」……そりゃあ、自分の身に起こったことは究極的な意味で自己責任である、とはいえるかもしれないが、それを言ってはおしまいだ。労働基準法や過労死裁判や弁護士が、何のために存在するのか。その意義すら周知されていないらしい。少なくとも私は、「過労自殺は自己責任」という主張をしたくない。

 なぜ彼はこんな発言をするのだろう。

 田端氏は1975年生まれで、就職氷河期世代やロスジェネ世代にあたる。元リクルート、ライブドアなどで華々しく活躍し、LINEの執行役員になってからはズバッと“本音”をつぶやくツイートが人気になった。ツイッターのフォロワー数は15万人以上の有名人で、意識の高いビジネスマンの支持を集めている。

 私はたまに、田端氏から「メンヘラライター(?)」として言及されることがあり、数年前にはツイッター上で少しだけ交流があった。かといって仲が良いわけではないし、性格を知るわけでもないが、彼の発言からは就職氷河期世代に特有の努力至上主義を感じる。

「弱肉強食の世界を生き抜くのって、最高にスリリングで充実してるよな」というか、「会社に縛られない自由なグローバルマッチョ最高!」みたいな空気感だ。

「何百時間の残業で過労死した人も鎖で繋がれ鞭打ち強制労働でもなけりゃ、例の日大アメフト危険タックル選手と同じ程度には本人の自己責任もあるのでは?」(ツイートより引用)

 過労死するくらいなら、残業を断ればいい。会社に鎖で繋がれているわけではないのだから。ビジネスマンたるもの、自分の身は自分で守れと、そう言いたかったのだろう。

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田端氏に追随し、弱者叩きをしている人ははたして強者側なのか?

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