激昂してパソコンを破壊! 年商1億円アスペルガー女社長が語る“アスペの真の苦しみ”<4>

言葉を額面どおりに受け止める特徴から、仕事仲間の嘘を見抜けず……

 こうした自身の状態を、何とかしなければと悩んでいたところへ、さらなる問題が勃発した。  何と、信頼してセミナーを任せていた講師陣が、発達障害者を含む生徒らに対し、アズ氏に無断で詐欺まがいとも思える金融商品等を売りつけていた疑いが浮上したのだ。アズ氏はその処理のためにここ数カ月、ほぼ不眠不休で東奔西走していたという。 「今回の件は、他人の言葉をそのまま受け止めて信じる発達障害者の特性に付け込まれた感もあり、かなりショックでした。成功すれば、ブラックな人間も少なからず寄ってくるのが世の常なのでしょうが、そこが見抜けない。これもまた、コミュ障の範疇と言えるのかもしれません」  しかし一か所に留まらず、立ち止まらず、どんなこともビジネスチャンスに変化させてしまうのがアズ氏の得意技。今回の騒動を契機にオフィスの体制を立て直して身辺をスッキリ整理した上で、年頭から力を入れ始めた新分野への取り組みを強化していった。 「ビジネス第四期は、『ボタニカル風水』の講座を中心にしようと考えています。月の満ち欠けで時間を計り、旬のものを食べて、お花や木を見ながら暮らす――つまり、昔の日本の生活に戻ろうということを面白おかしく伝えていくだけのものなのですが、実はこれ、私自身がいちばん楽に生きられる人生そのものなんです。  アスペルガーって、五感が鋭くて文明に弱い縄文人のような生き物。だからこそ、現代社会の中で出来る縄文活動を、ボタニカル風水というツールを使って目指していきたい。それはきっと発達障害者だけでなく、文明に冒され疲弊している現代人すべてに役立つ生き方なのではないかと思っています」  自分が楽に生きられること――アズ氏のビジネスの理念は、常にそこにあるように感じる。ならば、再び浮上してしまったコミュニケーション障害という問題点も、ビジネスを通じて解決できぬものだろうか。 「今の私の成功は、コミュ障ではないように装い、8割我慢をし、工夫を重ねてきた上に成り立っているもの。それでようやく、ギリギリ年商1億円です(笑)。 でもこれ以上、我慢に我慢を重ねていけば対人面にも体調面にもさらなる不調が現れるのは必至。私だって、もう誰ともケンカしたくないし、Macを壊したくないし、人に離れていってほしくない。 しかし年商1億円の先を目指すなら、自分ひとりの力では難しく、チームワークが必要になる。そう考えると、これからは体が弱くても大丈夫、コミュ障でも大丈夫という環境で何の遠慮もなくできる方法を模索していく必要があるわけです。そのひとつがボタニカル風水でもあるのですが、まだ他にもきっとある。これからも探し続けていきます」  一筋縄ではいかないアスペルガーとの付き合いを続けながら、アズ氏は新たな道を全速力で走り始めている。(了) <取材・文/和場まさみ 構成/安英玉>
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