激昂してパソコンを破壊! 年商1億円アスペルガー女社長が語る“アスペの真の苦しみ”<4>

和場まさみ
アズ直子氏

「アスペルガーが上の立場になった時が最も要注意です」と自戒を込めて語るアズ直子氏

 アスペルガー(自閉症スペクトラム)であることを公表しつつ、ネットショップ、講演、セミナー運営で年商1億円を実現した実業家のアズ直子氏。

 昨今は新たなビジネスチャンスにも恵まれ順風満帆であったが、今回のインタビュー直後には大問題が発生していた。

 現在、広尾に構えているオフィスの面積は決して広くはないが、月間500人以上の来客があり、うち30人がアズ氏のビジネスパートナーとして、さまざまなセミナーや講演を展開していた。

「しかし結果として残ってくれたのは、昔から私を知っていてマネージャー兼教育係を務めてくれている藤野(編集部注※アズ氏のビジネスパートナーで、合同会社藤野淳コンサルティング代表・藤野淳氏)のみ。ほとんどの人は、私にしかわからない『いま、このタイミングで動いて!』という指示や言動について来られず、去っていってしまいました」

 すべてが軌道に乗り始めたところで、アスペルガー症候群という発達障害者がにとって最大の問題である「コミュニケーション障害」が、再び顔をのぞかせ始めたのだ。

「ビジネスが大きく展開していくほど、多くの人々と関わりを持たざるを得なくなる。年商1億円の向こう側に行くためには、このコミュニケーションという課題をクリアしなければならないのですが……」そう語るアズ氏からは、“コミュ障”の気配など微塵も感じない。

 そう伝えると、アズ氏は別室から、液晶画面が粉々に砕けたPCを一台、持ってきた。

「これ、藤野が購入した新品のMacなのですが。ある仕事の件で意見の折り合いがつかず、腹が立ちすぎて思わず竹刀で叩き割ってしまったんです」

痛々しい様相のMac

画面が鈍器のようなもので割られ、痛々しい様相のMac

「あんなにキレたのは7年ぶり。滅多にしないことですが、今でも自分が悪かったとは思っていません」

 感情を抑えられないのも、アスペルガーの特徴の一つなのだ。

 ビジネス第一期の頃のアズ氏は、会社勤務中に幾度となくキレては上司に暴言を吐いていた。まだ年齢も若かったので、さすがに年上の相手に対して今回のような「破壊行動」は取らなかったが、「今は、私が買ったのだから壊しても構わない、また稼げばいくらでも買えるし弁償するし……という感じ。アスペがビジネスに成功すると、このように高圧的になってしまうんです。また上下関係のない家庭内で暴力をふるってしまうケースも少なくない。でも、これが続けば完全なるパワハラですよね」と話す。

パソコンを竹刀で叩き割った

激昂し、パソコンを竹刀で叩き割った場面を再現するアズ直子氏

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言葉を額面どおりに受け止める特徴から、仕事仲間の嘘を見抜けず……

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