ラテンアメリカに根を張る、イランと関係が深いテロ組織ヒズボラの活動
Critica」)
当初、テロリストによる爆破事件として調査を進められていたが、証拠不十分で未解決のままになっていた事件だ。
しかし、今月16日、パナマのフアン・カルロス・バレダ大統領が、イスラエルと自由貿易協定を結ぶために同国を訪問した時に、この事件のことが話題になり、ネタニャフ首相はテロリストによる仕業だという新たな証拠を提供すると約束した。そして、その約束から4日後の20日にバレダ大統領の手元に“新たな証拠”が届いたのである。
ネタニヤフから届いた“新たな証拠”を手にしたバレダ大統領は、早速この事件に関して関係当局に再調査を要請することを明らかにした。大統領がこの事件の解明により強い関心を示しているのは、ネタニヤフへの親密アピールだけではなかった。死亡した乗客の一人が彼の友人で米国で一緒に学業を修めた仲であったのだ。とはいえ、再調査の要請にあたり、大統領は「彼の為だけではなく、死亡した人たち全員そして彼らの家族の為にも裁きが行われるようになることを期待している」と語っている。
この事件はテロリストによって機体が爆破されたものだという憶測は充分にされていた。というのも、その前日にAMIA事件が起きたからである。AMIA事件とは、ブエノスアイレスにあるユダヤ人共済協会(Asociación Mutual Israelita Argentina)の建物が何者かによって爆破され、85名が死亡するという惨事があったのだ。
この事件にヒズボラとイラン政府が関与していたということはアルベルト・ニスマン検事によって解明されていた。ところが、この詳細を議会の調査委員会で報告する予定になっていた前日に彼の遺体が浴室で見つかっのである。
それ以後、この事件の解明も充分に進んでいない。また、クリスチーナ・フェルナンデス前大統領がイラン政府と調査を進めないという密約が交わされたというのも今では公然の秘密となっている。その交換条件として、アルゼンチン政府が要求したのは両国の具体的な取引の取り決めであった。
この公判を進めるためにフェルナンデス前大統領は起訴されたが、彼女が前大統領でしかも現在上院議員の職にあることから事態は容易に運んでいない
AMIA事件そして飛行機の墜落と続けて起きたというのは、双方がテロリストによって仕組まれていた可能性は十分にある。
米国でトランプ大統領が誕生したことによって、ラテンアメリカにおけるイランの手足となって行動しているヒズボラの活動を阻止することに米国は積極的になっている。
当初、米国麻薬取締局(DEA)は「カサンドラ・プロジェクト(Cassandra Project)」と題して、イランが背後から操作しているヒズボラの犯罪、麻薬密売、テロリズムをコントロールし、撲滅する計画をオバマ前大統領政権下で進めていた。ところが、イランとの核合意を優先しようとしたオバマ前大統領はこの活動を凍結させたというのだ。それは米財務省の元高官キャサリン・バウアーが「イランとの核の合意が危険にさらされるのを警戒して前大統領自身によって凍結された」と発言していることから明らかにされている。(参照:「Apunto en linea」)
しかし、トランプ大統領はイランとの核合意に当初から信頼を寄せておらなかった。そこで、イランに遠慮することなく、その手足となって活動しているヒズボラを大統領就任早々から徹底して取り締まる姿勢であった。
1994年7月19日、パナマのアラス・チリカナス航空(Alas Chiricanas)901便がパナマの第2都市コロン空港を離陸して数分後に墜落し、21人が死亡、生存者はいない,という事故があった。死亡した乗客の大半がユダヤ人で、数十名のユダヤ人乗客はパナマ在住のビジネスマンで、コロンのフリーポートで商談を済ませた後の搭乗であったという。(参照:「航空機爆破の前に起きていたもう一つのテロ
アメリカも南米におけるテロ組織に警戒
1
2
ハッシュタグ