「クォーターバックをつぶしてこい」という発言の意味について
次に、相手選手の「クォーターバックをつぶしてこい」という発言の意味について記者から問われます。
「悪質タックル問題 日大前監督とコーチ会見 全文1」0:07:24~
「彼が試合に出ること、について、そういう、気持ちで、『行きます』と、『クォーターバックをつぶしていきます』と、いうことを監督に、言って、覚悟を決めて欲しいなっていう、ことで、僕は彼に、『クォーターバックを、あ、う~ん、つぶしてこい』と、試合で、それは言いました」
この発言中の随所に、唇のプレス、眉間のしわ+眉の内側の上昇が観られます。それぞれ
認知的負担の高まり、及び苦悩を意味します。また言語的なためらいも聞き取ることが出来ます。
先の解釈同様、通常、発言の準備をして記者会見に臨むことが予想されるゆえ、自信の発言がスムーズに口から出てこないという認知の負担が生じるのには言外の意味がある可能性があります。
次に、相手選手にケガをさせるようなプレーを宮川選手に指示したのか、また関西学院大学との定期戦がなくなってもよいという発言をしたのかということを巡って記者から問われている場面を取り挙げます。
⇒【動画】はコチラ https://youtu.be/zGAQVxSqZsI
「悪質タックル問題 日大前監督とコーチ会見 全文2」0:07:56~
「あの~はい、ケガを目的とした、指示は、しておりません。はい」
という発言に言語的ためらいと、「指示は、しておりません。」という現在時制の返答が聞き取れます。
「そのような指示はしませんでした」という過去時制の返答が通常だと考えられますが、現在時制というところから、
現時点での想いを単に答えているだけの可能性があります。
また同じケガという指示の有無を巡ったやり取りの中で、
⇒【動画】はコチラ https://youtu.be/btqB_qTW0sc
「悪質タックル問題 日大前監督とコーチ会見 全文10」0:03:28~
「いえ、あの、そこが、正直なところ、ケガっていう言葉を使ったか使っていないかっていうのは、正直僕は、あの、覚えておりません。はい」と井上前コーチは答えています。
この発言は、眉間のしわ、首傾げ、言語的ためらいとともになされます。
この先の言動とこの言動とを合わせて考えれば、
井上前コーチは自身でも「ケガ」という言葉をどういった文脈で使ったか覚えていない可能性があります。
どんな状況下でどのような言葉とともの「ケガ」という言葉が宮川選手に対して用いられたか、精査が必要です。ここが誤解と意図性とを分ける重要なポイントとなります。