日大アメフト部会見の表情を分析 井上前コーチはまだ核心的なことを隠している?

清水建二

時事通信社

 こんにちは。微表情研究者の清水建二です。昨日5月23日、日本大学の悪質タックル問題に関する内田正人前監督及び井上奨コーチによる会見が行われました。本日は、本会見で観察された井上前コーチの表情、動作、その他言動のやりとりを分析します。

 分析に用いた動画は「悪質タックル問題 日大前監督とコーチ会見 全文1~17(180523)」です。

https://youtube.com/watch?v=CLE_-VTLLlo

 結論から書きます。井上前コーチからは、記者からの特定の質問に対し表情・動作・その他言動感情のブレが多分に観られ、本会見の場では言うに言えない、言いたくても言えない核心的なことを抱えている可能性が高い状態にあると推定されます。

 そしてこの「言うに言えない」状態は、井上前コーチ自身の葛藤だけでなく、外部的な要因が影響していると考えられます。ゆえに今後の捜査あるいは調査において真相を解明するには、外部的な要因が影響しない状態で井上前コーチから話をしてもらうことが重要であると考えられます。

 会見動画からは大小様々な特徴的な言動が観察されましたが、本論ではその中でもより特徴的な言動をいくつかピックアップして論じたいと思います。

 会見の冒頭に記者から本件の悪質なタックルが誰の指示によって行われたのかが問われます。このときの井上前コーチの言動は次の通りです。

⇒【動画】はコチラ https://youtu.be/CLE_-VTLLlo

「悪質タックル問題 日大前監督とコーチ会見 全文1」0:05:36~

「実際、監督から僕に、え~『クォーターバックをケガさせてこい』というような、あ~指示はございませんでした」

「私は宮川選手に対して『クォーターバックをつぶしてこい』と言ったのはえ~真実です。はい」

 この発言の全体を通じて、唇プレス+眉間のしわ、眉の内側の上昇が観られます。

 これらはぞれぞれ認知的負担の高い状態、悲しみ感情を意味します。え~、あ~と言ったパラ言語も認知的負担が高いことを意味します。

 誰の指示で誰が何を言ったか、この会見を開く以上、記憶の整理はしてきているはずなので、通常ならば認知的な負担がかかるとは思えません。このことから言外の意味がある可能性が考えられます。

 特に注目したいところは、「僕に、え~」というところで眉間にしわがより、口角が水平に引かれている表情です。怒りと恐怖に関わる表情の動きです。

 またこの発言の語尾の声のトーンが低くなります。誰からの指示かということについて怒りと恐怖を抱き、自信の発言に自信がない状態が観察されます。

 文脈的には内田前監督による指示だと解釈したくなりますが、ここは精査が必要な箇所です。映像のみの情報からはこれ以上のことはわかりません。

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「クォーターバックをつぶしてこい」という発言の意味について

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