少子化なのに「試合に出られない子ども」も増加! 少年野球チームが抱える現代的悩み

佐藤永記
はじめてのゴロ

筆者の息子はじめてのキャッチボール。一生懸命ゴロをさばくが、ボール使用可とはいえ横ではサッカーも行われており、全力投球は難しかった。

 野球競技人口の減少が叫ばれて久しい。スポーツの多様化、子供人口の減少、野球ができる場所が減っているなど、様々な原因が報じられているところだが、実際はどうなのだろうか?

 筆者の息子も小学生になり、筆者からは特別な推奨をしていないにもかかわらず野球に興味を持ち始めた。しかし、自らの少年野球経験を思い出すと、親として息子を少年野球の世界に入れることに多少の「申し訳なさ」がある側面があるのだ。

 全国の少年野球をまとめる連盟のひとつ、全日本軟式野球連盟に登録されているチーム数は平成29年度では学童(小学生)で11792チームとなっている。(参照:全日本軟式野球連盟

 21年前となる平成8年(1996年度)度には15348チームであった(参照:大阪芸術大学藝術研究所)ことを考えるとチーム数は約24%減ということになるが、平成29年10月1日時点での人口統計を見ると、12歳の人口が106万人で、21年前に12歳だったことになる33歳の人口が147万人で、約28%減になり、これは少子化による影響だと言っていいだろう。(参照:統計局

 また、少子化以外にもチーム数の減少の背景には「野球人気の衰退」や「野球ができる公園が減っている」などもあると言われている。

 そんな一般的に言われる理由とは別に、個人的にはもう一つの理由が思い当たる。それは、私が運転免許を所持していないということに関連している。

ミニバンやワゴンを運転できる&所有している人がいない

「チームの監督、コーチ、親のなかで、球場などに選手を送り迎えできるのは私を含め3人しかいないんですよ」とは、実際に学童野球チームに子供がいる親(兼コーチ)の声だ。

「野球チームの運営に『クルマ』は必須です。9人以上の子供たち、監督、コーチ、野球用具などを試合会場や練習場まで移動させなくてはいけない。昔ならもっと子供が多かった分、親も多かったですからね。つまり昔は自然と大家族の方がいらっしゃいましたから、何人かはミニバンを持っていたので気にすることではなかったのですが……そもそも運転免許やクルマの所有していない親が増えてきていますし、誰か一人(運転手役)が休んでしまうとチームは移動ができない状況です」

 子供人口の減少や野球離れだけではなく、クルマ離れによってチーム運営が維持できない事例も多くなっているのだという。

「運転免許を持っていても、所有しているクルマが小さい方もいます。子供が一人しかいない核家族で、ミニバンやワゴンを所有する意味がない。なんとかレンタカーでミニバンを手配してもらってやりくりしていますよ」

 家族形態の変化や、大きなクルマを必要としない、また経済状況まで絡んだクルマ事情が実は少年野球・学童野球の世界にも影響しているのだ。

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人口減少でも試合に出られない子供たち

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