花角氏に「官邸に異議申し立てできるかどうか」を聞いてみた
花角氏の出馬会見で配られた資料には、原発について「3つの検証をしっかり進め」と書いてあるが……
――米山前知事も泉田元知事も原発事故時の原子力防災に欠陥があると言っていました。両氏ともに「ずさんな避難計画のもと、原子力規制委員会のお墨つきで再稼動するのはおかしい」などと問題提起をして当選し、「再稼働を判断するのは、福島原発事故の三つの検証が終わってから」という立場でした。現時点での原発再稼働に対する認識はいかがですか。
花角:泉田知事時代、私は直接の(原発)担当ではありませんでした。横で聞くだけでしたけれども、避難計画の実効性について疑問を呈していたのはよく覚えています。そういう意味では「そうだよね」と思うところがありましたので、「三つの検証」の中の一つとして避難計画というのは非常に重要だと思っています。
――花角さんが現役の官僚時代、泉田裕彦元知事が「原発事故時の住民避難用バスの運転手確保」に関する疑問提示をしたと思います。これは国交省マターだったとも思うのですが、これについて何か発信、問題提起をなさったことはありますか?
花角:私自身は担当ではありませんでした。
――相手陣営からは「優秀な霞ヶ関官僚ほど、総理官邸の(原発再稼働を進めるという)ご意向に逆らえないのではないか」との指摘が出ています。現役の官僚時代、政権に異議申し立てをした事例があれば、教えていただけますでしょうか。
花角:私が交渉するとか、そういうことはありません。
花角氏は「県民の要請」ではなく「二階幹事長のシナリオ」で出馬した!?
「県民有志代表」の渡辺毅理事長
――「県民党」として県民の要望から出馬を決めたということになっています。実際は、安倍政権にとって、二階さんにとっては最初から意中の候補だったのではないでしょうか。花角さんにしても二階さんの大臣時代に仕えて高く評価されていたので、「きっと県知事選に出たら応援してくれるのではないか」と期待する、阿吽の呼吸のようなものがあったのではないでしょうか?
花角:運輸大臣時代の大臣秘書官をしていまして、仕事のやり方とか立ち振る舞いとかも含めてご指導をいただきました。感謝している方であるのは事実ですが、今回の選挙で、幹事長から私に直接「ああしろ」「こうしろ」と言われたことは一度もありません。
――最後に二階幹事長とお話をしたのはいつ頃ですか。
花角:この2、3日のうちにお電話でお話をさせていただいております。
――どういうお話をされたのですか。
花角:私が「県知事選をやることになった」ということをお話しました。
――その電話の前は、何かあったのですか。
花角:この選挙と全然関係がないことでも、しょっちゅういろいろなお電話がありますので、その意味では親しくおつき合いさせていただき、お世話になっています。
――選挙で陣頭指揮を取る二階さんと太いパイプがあれば、「選挙になれば、応援してくれるのではないか」という期待感は当然あったのですか。
花角:期待感は正直ないです。ただ私は二階幹事長に「ご報告をするべきだ」と思って、ご報告をしました。