韓国・文大統領の側近が有名ブロガーと接触し、世論操作した疑いが浮上。早くもまた政権交代か

スクリーンショット 2018-05-13 5.08.24

有名ブロガー、「ドルイドキング」氏のIDで検索をかけると、盧武鉉財団後援グループに繋がる。彼が何者かの要請を受け、文在寅政権に有利な世論を形成した疑いが浮上している

 韓国で連日、話題となっている「ドルイドキング」事件。その盛り上がりぶりは、日本の“モリカケ問題”に匹敵するかのようだ。 「いいね」や「コメント」を偽造し、あたかも賛同されているかのように捏造された、このSNS世論捜査事件最大の焦点は、「2017年の大統領選への影響」だ。  昨年行われた大統領選挙では、文在寅大統領が41%に及ぶ票を獲得し当選。前朴政権で与党だった「自由韓国党」候補の洪準杓(ホン・ジュンピョ)氏や第2野党である「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)氏に倍の票差をつけている。(参照:NEWSIS)  この41%の支持率は偽造されたものなのか。韓国検察が本格的な捜査に乗り出し、事態は重大な局面を迎えている。  ハンドルネーム「ドルイドキング」を名乗り、記事に対して「いいね」やコメントを異なるアカウントで数百件偽造していた、金容疑者。先月3日に起訴され、それから警察による聴取を受けていたが、4月19日以降取り調べを拒否するため、この度逮捕状が出された。今後は身柄を拘束され、今後は強制的に取り調べを受ける。  捜査によると、金容疑者は2016年10月から今年3月まで記事9万件ほどに対して書き込み操作をした疑い。また、彼がNAVERで運営するサイト「経済的共進化の会」が与党の金慶洙(キム・ギョンス)議員に2千700万ウォン(約276万円)の政治後援金を渡したことが確認されている。  警察側が今回押収したUSBには、金議員の後援案内文書と「政治後援金のリスト」がファイル化されており、この後援案内文書には、金議員の後援会口座番号や振込名、入金限度額などに関する内容が盛り込まれていた。  警察は今後も、この資金がどのように集められたのか、また、出所はどこなのかなど、詳細を追求していく構えだ。  この金慶洙(キム・ギョンス)議員という人物、実は文大統領の側近中の側近と言われている。2012年に行われた大統領選挙では、当時出馬していた文在寅(ムン・ジェイン)氏の選挙対策委員会公報特別補佐官ならびに随行チーム長を務め、昨年の大統領選挙では文氏の代弁人を担当した。  2度にわたる大統領選挙で文大統領を全面的にサポートしてきた金慶洙(キム・ギョンス)議員は、この献金疑惑に対し「ドルイドキングからカネを受け取ったことはない」、「全くの事実無根」と否定している。
次のページ
「世論は私たちが作った」
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会