過去8回のデフォルト経験国アルゼンチン、9回目のデフォルトを避けるべくIMFに支援要請

 また、フェルナンデス前政権では国債における債務再編に応じることなく、国債の元利支払いを要求していた米国の投資ファンドとも対立していた。マクリは外国からの信頼を取り戻すために逆に彼らと和解して93億ドル(1兆円)の支払いを済ませた。この和解によって、それまで前政権の前に閉ざされていた国際金融市場への復帰も果たした。マクリ政権11か月が経過した段階で負債はGDPの30%になっていた。(参照:「BBC」)  更に、マクリ大統領は外国からの投資を求めて欧米そしてアジアと外遊を積極的に展開させた。米国、オランダ、フランス、スペイン、日本、中国などが訪問先であった。アルゼンチンの大統領の訪日は20年振りの出来事であった。  しかし、外国からの投資は期待されていたほどの成果は生まれていない。その理由は、これまでデフォルトを繰り替えし、時に軍事政権も誕生した国である。アルゼンチンの国民の間でさえ自国政府への信頼度はこれまで薄いという経緯がある。アルゼンチンの国民がそうであるから外国企業は尚更アルゼンチンへの投資には慎重にならざるを得ない。  投資規模において、スペインは米国に次ぐ2番目の投資国で、これまで69億2300万ドル(7480億円)を投資し、スペインの2大銀行を始め主要企業およそ300社が事業展開している。しかし、今回のIMFへの支援要請の前に、今後のアルゼンチンへの投資については慎重ならざるを得ないことになるであろう。(参照:「iProfesional」)

アルゼンチンが抱える構造的問題

 アルゼンチンは国の規模に比べ、輸出のボリュームが少ないため、外貨の稼ぎが相対的に少ないという問題を抱えている。アルゼンチンはGDPで世界26位であるが、輸出ボリュームのランキングでは世界45位なのである。2006年には14749社が輸出していたが、フェルナンデス前大統領の任期を終えた2015年だと輸出している企業は10141社。4608社が輸出しなくなったのである。  そんな状況を変えるべく、マクリ大統領は積極的に輸出促進策を展開させているが、輸出企業は減少を続け、昨年は9250社が輸出しているだけという統計が出ている。  輸出が後退した問題は、フェルナンデス前政権時にGDPの25%を占めた課税やインフレの高騰などから商品の国際的競争力が落ちたからである。例えば、トウモロコシの国内での価格の上昇を抑えるべく、輸出税を設け、逆にその分を国内での供給に回して供給過多にて市場で価格が下がるようにさせようという愚策まで彼女は実施したのである。  マクリは輸出を容易する策を色々と適用しているが、輸出の成果というのは短期的には表面化しない。しかし、米国や中国向けの輸出は伸展している。
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国民に根強く残るIMF介入のトラウマ
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