NASA、新型の火星探査機を打ち上げ! 日本も中国も目指す火星探査のいま

日本も、そして中国も狙う火星探査

 一方、宇宙飛行士は送らないまでも、火星探査は他国も力を入れつつある。  現在も2機の火星探査機を運用している欧州は、ロシアと共同で、2020年に大型の探査車を送り込み、火星に生命がいるのか、あるいは過去にいたのかを調べようとしている。  とくに注目すべきは中国で、2020年に火星をまわる軌道に探査衛星を送り、同時に火星地表に小型の探査車を着陸させる計画を発表している。中国は火星探査と並行して、太陽系の他の惑星や小惑星も連続して探査する計画を打ち出しており、そのための強力なロケットも開発しているなど、米国と並んで、今後の宇宙探査における大きな極となりつつある。  2013年に火星探査に初挑戦にして成功を収めたインドも、その後継機を2020年ごろに打ち上げることを計画している。  一方日本でも、火星の衛星「フォボス」を探査し、その岩石を地球に持ち帰る探査機「MMX」の開発が進んでいる。2024年に打ち上げられる予定で、フォボスの探査、そして帰還に成功すれば世界初の快挙となる。  意外なところでは、アラブ首長国連邦も2020年に火星探査機の打ち上げを目指している。「アル・アマル」(希望という意味)と名付けられたこの探査機は、主に火星の大気を調べることを目的としている。  打ち上げロケットには日本の「H-IIA」が使われる。日本のロケットが選ばれた背景には、指定した日時にきっちり打ち上げる「オンタイム打ち上げ」率が高いことがあったとされる。というのも、アル・アマルにはもうひとつ「アラブ首長国連邦の建国50周年を祝う」という大きな目的があり、それゆえに遅れることが許されないためである。  各国が火星を目指す理由は、ひとつにまだ十分に探査されておらず、科学的に謎が多く残っていること。それゆえに、探査すれば話題性が大きく、他国との共同研究も進むなど、国際的なプレゼンスも発揮できることなどがある。また、他の惑星に比べると地球に比較的近く、探査機を打ち上げやすい。  かつて火星探査といえば、米国とソ連(ロシア)の独壇場だったが、いまでは欧州やインドが加わり、そう遠くないうちに日本や中国、さらに他国が続々と加わることになろう。

欧州とロシアが2020年に打ち上げる火星探査車の想像図 Image Credit: ESA

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宇宙と言えばあの人も火星を目指す
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