パレードにはLGBTの当事者以外に、多くの支援者たちが参加した
LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)の権利向上を訴える祭典「東京レインボープライド」が4月28日から5月6日まで開かれた。今年の標語は「Love and Equality」(すべての愛に平等を)というものだった。
最終日のパレードには、自民党から朝日健太郎・参院議員、稲田朋美・元政調会長、公明党から谷合正明・農水副大臣が参加。野党からは、立憲民主党の枝野幸男・代表や福山哲郎・幹事長ら、日本共産党の小池晃・書記局長や吉良よし子・参院議員、社民党からは福島瑞穂・副党首、無所属からは細野豪志・衆院議員などが参加した。『五体不満足』で知られる作家の乙武洋匡さんやタレントのkabaちゃんも参加した。
パレードに参加したのは約3万人で、代々木公園から渋谷中心まで2時間ほど行進し、代々木公園に帰ってきた。女優の東ちづるさんが率いる一般社団法人「Get in Touch」や「アムネスティ・インターナショナル」など37団体が行進。6日夜は、歌手の浜崎あゆみさんの公演が行われ、多くの人が聞き入った。
キャッチフレーズは「すべての愛に平等を。」
パレードに参加した、元秋田放送アナウンサーの松浦大悟さんに感想を聞いた。
松浦:パレード前日の野外ステージで、人気ダンスユニット「東京ゲゲゲイ」のボーカルのマイキーさんが「この会場の中でLGBT当事者はどのくらいいますか? 手を上げてみて」と観客に質問したところ、挙手をした人は2割しかいなかったのです。
今年は例年に比べても来場者が多い印象でしたが、増えているのは当事者以外の人たち。「アライ」と呼ばれるLGBTを支援したい異性愛者の方たちや、後援企業の社員、ライブを行うアーティストのファンのみなさんなど。さまざまな目的を持った方々の集まりとなっています。
LGBTは病気ではないので、他者が判定することは難しい。この東京レインボープライドは、誰もが参加できるように主張を緩やかなものにしているので、その空洞の中にあらゆるものが飲み込まれていく。だからこそ、ここまでの規模に成長したのだとも言えます。
しかし同時に忘れてはならないのは、パレードに参加している人はLGBTのごく一部だということ。当事者7000人の参加人数というのは、台湾のLGBTパレードの当事者参加5万人には遠く及びません。私の住む秋田県では、ゲイとしてのアイデンティティを持たず、サラリーマンとして働きながらMSM(男性間性交渉者)として生きる人たちが圧倒的に多い。この層へどう接点を持っていくかが今後の課題でしょう。
イベント会場を歩いていたとき、4人のゲイの若者から「オレも秋田県出身です」と声をかけられました。東京で就職し、仕事や恋に忙しそうな彼らの姿はキラキラしていた。地方はまだまだカミングアウトできる環境にはありません。
東京レインボープライドが輝けば輝くほど、LGBTの若者は自由を求めて地方から出て行く。彼らの故郷においても、LGBTが生き生きと暮らせる環境を作っていくことは政治の役割であり、大人の責任であると思います。