内閣政府広報室に続き長野県でも! なぜ行政の作る「国民の声」的なサイトがヘイトに溢れてしまったのか?

何の説明もなく公開を中止した内閣政府広報室の国政モニターのページ

 ブログ「ロジ・レポート」(http://logicalplz.hatenablog.com/entry/2018/04/30/144456)が4月30日に掲載した内閣政府広報室が“国民の意見を募る”として開設した「国政モニター」に、おびただしいほどのヘイトスピーチや誹謗中傷的な内容が投稿され、何のチェックも受けずに公開されていた件は、海外でも報じられるなど大きな問題となった。(参照:「Huffinton Post」)  本件については、内閣政府広報室は問題発覚後に、問題となった投稿などについてはろくな説明もしないまま公開を中止した。(参照:「朝日新聞」)  建前上は「立法・司法・政治関係のご意見や、誹謗中傷、差別的な内容、その他国政モニターウェブサイトに掲載することが不適切であると判断されるご意見については、ご提出いただいても公表しない」と書かれていた。それでもなお、人種差別的な発言や「鳩山元総理など、外患誘致罪で処刑にすべきではないだろうか?」や「これ以上、在日朝鮮・中国人やその本国の利益のために日本が利用されてはなりません」というネトウヨの戯言のような発言がそのまま公開されていたのを見ると、「不適切」と判断しなかったわけで、なぜそのような判断に至ったのかの説明もなし、である。  さらに内閣政府広報室の騒動が収まる間もなく、今度は長野県のサイトが県政への意見を募るために設置した「県民ホットライン」のサイトに、これまたヘイトスピーチにあたる投稿が複数掲載されていることが判明した。

長野県は真摯にヘイトコメントに対応するも……

 ただ、こちらは内閣政府広報室とはやや事情が異なる。長野県としては基本方針として「原則として全文を公表します。ただし、ご意見等をいただいた方(個人及び法人)が特定されないように関係部分の記載を省略の上、前後の文が整合するよう最小限の加筆修正等を行う場合や公表が適切でないと思われる表現等について削除修正を行う場合があります」としていたものの、寄せられた意見のうちヘイトスピーチに近いものについては担当者が所属と実名を提示した上で真摯に回答し、明らかなヘイトについてはその回答で丁寧に否定しており、「ヘイトスピーチをそのままノーチェックで放置して垂れ流した」内閣政府広報室とは大きく違う。(※その後、人権上不適切な表現が含まれている投稿について、公開を中止し、内容を確認し後日改めて掲載すると発表)  とはいうものの、結果的にはヘイトスピーチが県のサイトに公開されたということには変わりないため、こちらもネットで大きな批判を浴びた。  しかし、内閣政府広報室にしても長野県にしても、はなからヘイトスピーチを政府なり県の公式サイトで垂れ流す目的でこのようなページを作ったわけではあるまい。にも関わらず、なぜ結果としてヘイトスピーチばかりが載っていたり、集まることになったのか?
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「運動の成果」としてのヘイト投稿乱立
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