カニエ・ウエストがトランプ大統領に洗脳された!? 大炎上発言の背景

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Neilson Barnard/Getty Images

 多くのアーティストが反トランプの姿勢を表明している音楽界。そんななか、ある大物黒人アーティストがトランプ支持のツイートを投稿して大炎上していることをご存知だろうか?

トランプ大統領は「すごくクール」と大喜び

 そのアーティストとは、何度もグラミー賞に輝きながら、同時にお騒がせ発言や奇行でも知られているラッパーのカニエ・ウェスト。きっかけは彼が4月末にトランプ大統領を称賛するような内容のツイートを投稿したことだ。 「トランプと意見が合わなくてもいいけど、野次馬連中には俺の彼への愛は奪えないよ。俺たちはどっちもドラゴンの力を持っている。彼は俺の兄弟さ。俺はみんなを愛している。俺はみんながやっているすべてのことに賛成するわけじゃない。それが個々人を形成しているんだ。俺たちは独立した考えを持つ権利がある」  この投稿に対してトランプ大統領もツイートを引用する形で反応。「ありがとうカニエ。すごくクールだ!」と返信した。  今年1月には中米やアフリカの国々を「肥だめ(shithole)」呼ばわりして大問題になるなど、差別主義者だと言われることも多いトランプ大統領。それをよりによって黒人のラッパーが支持したことで、インターネット上にさまざまなコメントやMEME(ミーム。ジョーク画像)が溢れかえった。  まずはハリケーン・カトリーナの際に、ブッシュ大統領を批判したときのカニエと、MAGAキャップ(「Make America Great Again」のスローガンが書かれている)を被ったカニエの画像をコラージュしたもの。カニエが変わってしまったという暗喩になっている。  一番多く見られたのは、昨年大ヒットした人種問題を下敷きにしたホラー映画『ゲットアウト』をモチーフにしたMEMEだ。ネタバレになってしまうので詳細は省くが、同作にはもしも黒人が白人に洗脳されてしまったら……? という要素が入っており、カニエがトランプ大統領のせいでおかしくなってしまったという皮肉が込められている。  このように猛烈な批判にさらされているカニエだが、4月30日にはラッパーのT.I.とのコラボレーションについて語っているビデオで、トランプの大統領の半分しか好きではないと弁護している。「誰もが無理だと言うこと、不可能を可能にする部分」が好きだそうだが、一方でエンターテイメントサイト『TMZ』では黒人が奴隷になったのは選択だと発言をしており、こちらも親トランプツイートと同様に大炎上している。
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過去にはブッシュ大統領を酷評
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