2001年のスカイホール。かつてはこのスペースにシムランドQという遊園地が存在していた
※2018/5/22追記
後日調査により、ジェットコースターではなく、「スカイフルーク」というスカイサイクルのレーンが存在していたとのことでした。短期間で閉鎖されたため、コース跡をジェットコースターであるとの会話が広がり、筆者が誤認していたものです。お詫びして訂正いたします。
東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地「楽天生命パーク宮城」がどんどんテーマパーク化している。先のゴールデンウィーク中には「EAGLE BRIDGE」なる空中ブランコが登場した。すでに観覧車やメリーゴーランドまで存在し、一帯は「スマイルグリコパーク」という立派な遊園地施設でもある。試合がない日でも土日祝日は基本開演し、試合日には観戦チケットがあれば無料で入場できる。
広島東洋カープの本拠地「MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島」や改修された横浜DeNAベイスターズの本拠地「横浜スタジアム」など、最近は球場だからといって野球「だけ」ではない施設が人気だ。
筆者の息子(6歳)を6日に初めて神宮球場に連れて行ったのだが、応援を楽しんでる分には良いものの、3時間前後の試合で、中盤には一旦飽きてしまっていた。だが、そんなときこういった施設のある球場であれば、1日楽しんで過ごすことが可能だろう。良い時代になったとつくづく感じる。
だが、筆者には複雑な思いが一つある。
球場の「近く」に遊園地があるといえば、東京ドームだろう。後楽園ゆうえんちが隣に存在している。これはこれでエンターテイメント施設が密集しているという意味では先駆けに近いのかも知れない。
だが、球場に「併設された」遊園地が20年前に、しかも、ジェットコースターが存在していたのだ……
「シムランドQ」。その幻の遊園地の名称だ。場所は京セラドーム大阪(当時・大阪ドーム)に存在していた。球場の最上階である9階の外周を利用した環状遊園地だ。1997年3月に球場が開場したと同時に営業が開始されていた。
大阪ドームのまわりにある上下に波打った屋根をぐるっととりまく筒の部分が9階。かつて存在した遊園地「シムランドQ」があった場所だ
環状遊園地の約半分がジェットコースターであった。当初は全周ぐるっと廻るジェットコースターとなる計画だったが、実際には半周を折り返し運転するものとなっていた。あのドームのまわりをうねうねしている部分が、うねうねしたジェットコースターコースだったわけだ。
しかしこの遊園地、「野球観戦と遊園地は入場が別で両方を試合中行き来はできない」「わざわざ9階まで行かなくてはいけない」「遊園地内で試合を見れるスペースはない」など、野球観戦と一緒に楽しむには、近いのに遠い遊園地だったこともあり、筆者の記憶ではジェットコースターが1年程度で故障したまま運休。そして遊園地そのものも2年程度で閉園となってしまった。