この10年で360社が買収! 中国によるEU企業支配はとどまるところを知らない!
smart-lighting.es』(4月18日付)は、それをあたかも紀元前3000年頃に存在していたとされる都市トロイアの征服にギリシャが戦士を中に潜ませた木馬を使って滅ぼしたとされる<トロイアの木馬>の神話に譬えている。
欧州委員会(EC)は外国企業が欧州連合(EU)の企業を買収する際に厳しい審査が行えるような対策案を提出するとしている。その背景には、ハイテクノロジーを備えたEUの生産、エネルギー、インフラといった分野の企業への中国からの買収や投資が急増していることに対しての懸念がある。狙いは、中国からのヨーロッパ企業への買収を如何に阻止するかということに尽きるのである。
2008年からこれまでの期間で、中国の企業670社がEUに買収を含む何らかの投資をしているという。その内の100社は国営企業かあるいは政府系投資ファンドだと言及している。そして、その投資総額は1620億ドル(17兆5000億円)にも上る。
そして、すでにEU企業の360社が中国企業によって買収されているという。例を挙げると、イタリアのタイヤ―メーカー「ピレリ」(Pirelli)」やアイルランドの航空機リース会社「アボロン・ホールディングス(Avolon Holdings)」、スイスの殺虫剤メーカー「シンジェンター(Syngenta)」、ドイツボッシュのエンジン部門子会社「ボッシュ スターターモーターズ(Bosch Starter Motors)」、ドイツ照明メーカー「シルバニア(Sylvania)」といったEUの重要な企業が中国によって買収されているのだ。更に、EU内の9カ国において、4つの空港、6つの港、風力発電所などが中国資本によって買収或いは資本参加されているという。
また、資金を投入して株主となっているケースとして顕著な例は、ドイツ銀行株を9.9%を買い求めたHNAグループやダイムラーの株主となったジーリーホールディング(Zhejian Geely Holding)などがある(※ただしHNAは同グループの資金難で持ち株率をその後減らしている)。(参照:「El Economista」、「El Confidencial」)
こうした状況を前に、メルケル首相とマクロン大統領は、ヨーロッパにおける中国の手加減しない前進を操ることができるように、EU共通の早急なる戦略の必要性を訴えている。
しかし、中国の買収劇は衰えることはなく、アースト・アンド・ヤング(EY)による調査では2017年の中国のドイツ企業への買収は過去最高の137億ドル(1兆4800億円)を記録し、2016年比8.7%の伸びだと指摘している。
それを上回るのが英国企業への買収である。同年177億ドル(1兆9100億円)にまで昇っている。EU全体だと、その買収総額は576億ドル(6兆2200億円)だという。
更にEYは、中国が買収の対象にしているのはハイテクノロジー、ファイナンス、エネルギーの分野だと指摘し、中国の買収劇のリズムは2020年まで続くと見ている。(参照:「smart-lighting.es」)
中国によるヨーロッパ企業への買収や資本参加が加速化している。
照明関係の情報電子紙『10年間で360社が中国企業に買収
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